story24 ページ24
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朝、目が覚めると、
体が思うように動かなかった。
頭がズキズキと痛んで、ぞくりと背中に悪寒が走る。
「あたま、いた…」
ベッドから降りようと床につけた足を折り畳んで、また布団に潜り込む。
いい歳して失恋で熱出すとか、
ばかみたい。
そんなことを思いながら、
ごろごろと寝返りを打って。
はぁ、とついた溜息の熱さを感じながら、
再び深い眠りへと落ちていった。
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「…ん、」
カラカラになった喉が悲鳴を上げたのと同時に、目が覚めた。
ぼんやりとした視界が、段々と開けていく。
体を動かしてみると、
さっきよりは少し、楽になったように感じた。
「…っ」
喉を潤すために若干軽くなった体を起こそうとして、
ふと気づく。
手が、
大きな手に包まれていて
それを目で辿れば、
そこには昨日から嫌というほどに思い浮かべていた顔があって。
「な…んで」
かすれた声が、ぽろりと落ちる。
それに反応したのか、
ベッドに突っ伏していた大きな塊が微かに動いた。
「ん…?…あ、起きたの?」
まだ眠そうに目を擦るのは、
紛れもなく、マサで。
「なん、で、ここに」
「心配だったから来てみたら、熱出してるし。
おばさんは出掛けなきゃって言うから、そしたら俺が看病するしかないじゃん」
心配、だったから?
「…なにが?」
「え?」
「なにが、心配だったの?」
あのとき、
みたいに
また少しの間
沈黙が流れて。
きれいに交わっていた視線を先に逸らしたのは、マサの方だった。
「…昨日、急に帰っただろ」
前髪を弄りながら、
小さく、呟いて
“昨日”
マサの口から放たれたその単語に、
思い出したくない光景が一気に頭の中を駆け巡って
少し和らいだはずの頭痛が、また私を襲う。
心配?
なんで?
もう全部、
わかってるくせに
私がマサを好きなことも
どうして私が昨日先に帰ったのかも
私の気持ちに応えられないことも
全部、わかってるくせに
「…っ、帰って」
なんで、そんなこと言うの?
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ぷーこ(プロフ) - ルカさん» いえいえ!ありがとうございました!後ほど変えさせていただきます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - なら、そうなんですね!すいません! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ルカさん» すみません、4年前の作品なので番号も当時のものになっております。わざわざありがとうごさいます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 柳田くんはあってるけど石川くんは#14ですよ (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - ずっと更新待ってました!!! パスワードできたら教えてくださいm(_ _)m (2016年8月27日 1時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷーこ | 作成日時:2015年11月11日 1時