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story22 ページ22

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祐希side



好きだと、思ったんだ。







今までまともな恋愛をしてこなかった俺が、





はじめて









一目惚れだとか

会って間もないだとか




そんなことは関係なかった。






ただ単純に、好きだと。









練習を終えて体育館を出れば、そこには彼女がいた。



彼女は、マサさんを待っていたのだけれど。






Aちゃん、って呼べるようになって、

いろんな話をして、

連絡先を交換して。



たとえそれが、俺じゃない誰かを待っている時間だとしても


俺には幸せな時間だった。




だから、浮かれていたのかもしれない。




彼女がマサさんを好き、

そんなことは



最初からわかっていたというのに



『ここで待ってる』

そう言った彼女を無理やり引っ張って、



あんな、






残酷なものを見せてしまうなんて。







.








「…祐希くん?」



隣から聞こえた小さくか細い声に、
はっと我に返る。


「あ、ご、ごめん…」


「急に黙っちゃうから、どうしたのかと思ったよ」



あはは、と柔らかく微笑む彼女に
俺の胸はまた、潰れそうになって。




「…ごめん」

「別にそんな謝らなくて…」

「そうじゃなくて。今日、ごめん…」





なにが、とは言わなかったけれど


きっと伝わったんだと思う。




微笑んでいた彼女の顔が、一気に暗くなって




「…祐希くんの、せいじゃないじゃん」



「でも俺が…」



「いいの!!」



俺の言葉を遮って、
静かな道に大きな声が響く。



「いいの…もう。

マサが見てるのは、私じゃないから」




さっきの声の余韻が残る中

また、か細い声で。





「Aちゃ…」


「送ってくれて、ありがとう」





その言葉に顔を上げれば、

“七瀬”という表札が目に入る。




「…うん、お大事に」

「ありがと」




触れていた手が離されて、

今にも泣きそうな顔で笑ってから
彼女は家の中に入っていった。




『マサが見てるのは、私じゃないから』




なにも、言えなかった。



でも。



マサさんがマナミさんと付き合ってるのか、


どうしてキスしたのか、


なんて


そんなの俺にはわからないけど







そんなことはないと、思うんだ。






だって、








Aちゃんが走り去った後のマサさんは、





こっちが見ていられなくなるくらいに









辛そうな顔をしてたんだから

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設定タグ:柳田将洋 , 石川祐希 , バレーボール   
作品ジャンル:恋愛
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ぷーこ(プロフ) - ルカさん» いえいえ!ありがとうございました!後ほど変えさせていただきます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - なら、そうなんですね!すいません! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ルカさん» すみません、4年前の作品なので番号も当時のものになっております。わざわざありがとうごさいます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 柳田くんはあってるけど石川くんは#14ですよ (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - ずっと更新待ってました!!! パスワードできたら教えてくださいm(_ _)m (2016年8月27日 1時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぷーこ | 作成日時:2015年11月11日 1時

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