◎やっぱりだいすきだ ページ9
.
「…ただいまぁ」
ガチャリとドアが開く音がして、急いで玄関に向かうと
そこには見るからに元気がない祐希の姿。
「おかえり、…何かあった？」
そう問い掛ければ
小さく背を丸めた祐希は一瞬驚いた顔をして、それから力なく笑った。
「Aにはなんでもわかっちゃうんだなぁ」
あはは、と乾いた笑いを浮かべながら靴を脱いだ祐希は
いつもは揃える靴をそのままにして
縋るように私を抱きしめる。
「…どした？」
「……んー…」
何を聞いても
んー、としか返ってこないのに、
それでも強く抱きしめたままで離してくれない。
…たまに祐希はこうなる。
嫌なことがあったときは大抵こうだ。
「ゆーうーきー」
「…ん」
…だめだ。
今日は特にひどいみたい。
「ゆうきー、ご飯作れないよー」
どうにかして腕から逃れられないものかと少しもがいてみるけど、
また抱きしめる力が強くなっただけ。
「…だめ」
「え？」
「離さない」
「でもご飯…」
「…いいからこのまま」
「…もう、」
しょうがないんだから、と
私の肩に顔を埋める彼の頭を撫でる。
「…もっと」
「え？」
「もっと撫でて」
…犬か。
ほんと、でかい図体してるくせに甘えん坊。
…まぁ、そこがかわいいんだけど。
「はいはい、よしよし」
いつもいつも、
結局は祐希のワガママに付き合ってしまう私は、なんだかんだ彼には相当甘いんだと思う。
「…んふふ。A好き、」
「なに急に」
「急じゃないし。いつも思ってるし」
「…あっ、そ」
あー、照れてるー
とにやにやしながら私の頬をつついてくる。
…さっきまで落ち込んでたのはなんだったの。
もう元気になったみたいだしと、私を抱きしめる彼の腕を解こうとするけど、
やっぱり離してくれなくて。
「ゆう…」
「…いつも支えてくれてありがと。ほんと感謝してる。
俺たぶんAなしじゃ生きていけないや」
そう言うと小さく私にキスをして
「愛してるよ」
いつもはあまり言わないくせに、
しれっとした顔でそんなことを言えてしまう彼が
「あれ？“私も愛してる”は？」
ちょっと憎たらしいけど
でも
「…いわない」
やっぱりだいすきだ。
(で、結局何があったの？)
((…え？))
(何に落ち込んでたの)
((……なんだっけ))
(…心配して損した)
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まる - 柳田さんバージョンも見たいです(>_<)！ (2016年4月4日 1時) (
レス) id: d2459c29de (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - Maaaaaoさん» コメントありがとうございます！ワガママなんかじゃないですよー！！とっても嬉しいです(^^) これからも頑張りますので、続編もよろしくお願いします！ (2016年1月5日 21時) (レス) id: 7b7e1951a6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ちいさん» いつもコメントありがとうございます！いえいえ、ワガママだなんて、とんでもないです。これからも頑張るので、続編もどうぞよろしくお願いします(^^)！ (2016年1月5日 21時) (レス) id: 7b7e1951a6 (このIDを非表示/違反報告)
Maaaaao(プロフ) - 受験生で大変なのもすごくわかってます！でもすいませんワガママゆわせてもらうなら五番がいいです！でも本当に大変なことだとおもうので二番でもぜんぜんありがたいです！このお話だいすきで更新がいつも待ち遠しいので続けてほしいです(T_T) (2016年1月5日 0時) (レス) id: b51ab1bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - ぷーこさん、選択肢の件ですが、ワガママ言わせてもらうなら5番です！！お忙しいのにごめんなさい。でも5番以外でひとつだけとなると2番で！このお話がだーいすきなのです*\(^o^)/* (2016年1月3日 22時) (レス) id: 3581cc6cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーこ
| 作成日時：2015年10月12日 12時
