◎キスしてよ ページ13
.
「A」
「…」
「ほら早く」
目の前にあるのは、毎日飽きるほど
眺めている顔。
唇が触れそうで触れない距離を保ちながら、私に促すような視線を送ってくる。
早く、
って言われても。
自分からキスするのって、
こう改まると恥ずかしいもので。
事の発端は数分前
「Aってさぁ、
あんまり自分からキスしてくれないよね」
ソファーでくつろいでいた祐希の、何気ない一言。
「…え、
あ、うん…そう、ですね」
「なんで」
なんでって、
…
実は、自分でもわかっていた。
いつも求めるのは祐希からで、私はそれに応じるだけ。
キスだって、それ以上のことだって。
自分からキスなんてするのはごくたまにで、
それもからかいの意味を込めていることが多いから、軽いのばかりだ。
…そりゃあ、
自分から求めたほうがいいのでは、
と思うことも多々あるけど、それを行動に移すとなると難しいもので…
でも今まで何も言われなかったから、まさか祐希がそれを気にしているなんて思いもしなかった。
「…俺のこと、好きじゃない？」
しゅん、と項垂れて
それから上目遣い。
「うっ……す、」
「す？」
その、きゅるんとした瞳は反則だとあれほど言ったのに。
確信犯だな、こいつ。
「すき…だけど」
「だけど…キスはしたくないと…」
「…っ、」
あぁもう！！
「わかったよ！する！するってば！！」
──── で、
今この状況に至る。
「はーやーくー」
…この男、
絶対面白がってる。
私はもう諦めて、
目の前の唇に自分のそれを押し当てた。
ちゅっと軽い音を立てて重なった唇はすぐに離れて、また微妙な距離を保つ。
「…え、これだけ？」
これだけ、とは。
「したじゃん、キス」
「いやいやいやいや。
もっとこう、深い、なんていうかこう…激しいやつ…」
今のだけでもこんなに恥ずかしくて顔が真っ赤になっているというのに、
この私にこれ以上を求めるのか！
「…むり」
むりむりむり。
むりだよ祐希くん。
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まる - 柳田さんバージョンも見たいです(>_<)！ (2016年4月4日 1時) (
レス) id: d2459c29de (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - Maaaaaoさん» コメントありがとうございます！ワガママなんかじゃないですよー！！とっても嬉しいです(^^) これからも頑張りますので、続編もよろしくお願いします！ (2016年1月5日 21時) (レス) id: 7b7e1951a6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ちいさん» いつもコメントありがとうございます！いえいえ、ワガママだなんて、とんでもないです。これからも頑張るので、続編もどうぞよろしくお願いします(^^)！ (2016年1月5日 21時) (レス) id: 7b7e1951a6 (このIDを非表示/違反報告)
Maaaaao(プロフ) - 受験生で大変なのもすごくわかってます！でもすいませんワガママゆわせてもらうなら五番がいいです！でも本当に大変なことだとおもうので二番でもぜんぜんありがたいです！このお話だいすきで更新がいつも待ち遠しいので続けてほしいです(T_T) (2016年1月5日 0時) (レス) id: b51ab1bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - ぷーこさん、選択肢の件ですが、ワガママ言わせてもらうなら5番です！！お忙しいのにごめんなさい。でも5番以外でひとつだけとなると2番で！このお話がだーいすきなのです*\(^o^)/* (2016年1月3日 22時) (レス) id: 3581cc6cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーこ
| 作成日時：2015年10月12日 12時
