◎ニッポンの、、 ページ11
.
『ニッポンの石川が決めたぁぁあー！！』
部屋の中に、テレビから聞こえる実況の声が響き渡る。
2人とも無言でいるせいなのか、余計にそれが強調されて聞こえた。
「…なんでこれみてんの」
長い長い沈黙を破ったのは祐希。
私が録画しておいたWCの試合を観始めてから、今まで何も言わなかったのが逆に不思議だった。
「…みたいから。
ニッポンの石川を。」
真顔でそう返せば、祐希はテレビから私に視線を移して
「…馬鹿にしてる？」
と、眉間に皺を寄せた。
まさか、
「してるわけな…」
『ニッポンの19歳ーーー！！！』
「ぶはっ」
してるわけないでしょ、と
笑いそうになる顔を必死で隠そうとコーヒーを口に含んだ瞬間の、これだ。
「うわ、きったね！！」
祐希の声に下を向いてみれば、
思いっきり口から噴き出したコーヒーは床のカーペットに飛び散って、茶色い小さなシミをたくさんつくっていた。
「ニッポンの19歳、タオル持ってきて」
またしてもふざけた私の一言に、
祐希がさらに眉間の皺を深くする。
隣に座って私を睨む彼は、どうやらこの呼び方では動いてくれないらしい。
「ごめんて。
日本史上最高の逸材、お願いします」
深々と頭を下げてみるけど、大きな影は動く気配がない。
恐る恐る顔を上げると、もはや怒りを通り越して呆れ果てた目とぶつかった。
「…もう反応するのも面倒くさい」
どうやら完全にご立腹のご様子。
ちょっとやりすぎたか、と反省しても後の祭りだ。
「ごめんなさい、調子乗りすぎました」
「…」
「祐希ーごめんー、」
「…」
「うー…ごめんてばぁ」
どうか許してくださいニッポンの、、
…じゃなくて
えっと、
「…すき、」
「…は？」
完全無視を決め込んでいた祐希が、少し驚いたように私を横目でみる。
何を言っているのかわからないという表情を浮かべる彼に
だからぁ、と付け加えて
「だいすきだから許して」
そう言ってドヤ顔をかましてやれば、祐希はたちまち顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
ふふ、してやったり。
「…バカじゃないの」
「あれ、照れてやんの」
「照れてない！タオル持ってくる！！」
(…ほんと単純)
((あ、また馬鹿にしてる))
(してないって)
((絶対して…))
(ちゅ、)
((！！！！？！))
扱い方は心得ておりますゆえ。
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まる - 柳田さんバージョンも見たいです(>_<)！ (2016年4月4日 1時) (
レス) id: d2459c29de (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - Maaaaaoさん» コメントありがとうございます！ワガママなんかじゃないですよー！！とっても嬉しいです(^^) これからも頑張りますので、続編もよろしくお願いします！ (2016年1月5日 21時) (レス) id: 7b7e1951a6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ちいさん» いつもコメントありがとうございます！いえいえ、ワガママだなんて、とんでもないです。これからも頑張るので、続編もどうぞよろしくお願いします(^^)！ (2016年1月5日 21時) (レス) id: 7b7e1951a6 (このIDを非表示/違反報告)
Maaaaao(プロフ) - 受験生で大変なのもすごくわかってます！でもすいませんワガママゆわせてもらうなら五番がいいです！でも本当に大変なことだとおもうので二番でもぜんぜんありがたいです！このお話だいすきで更新がいつも待ち遠しいので続けてほしいです(T_T) (2016年1月5日 0時) (レス) id: b51ab1bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - ぷーこさん、選択肢の件ですが、ワガママ言わせてもらうなら5番です！！お忙しいのにごめんなさい。でも5番以外でひとつだけとなると2番で！このお話がだーいすきなのです*\(^o^)/* (2016年1月3日 22時) (レス) id: 3581cc6cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーこ
| 作成日時：2015年10月12日 12時
