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Episode:23 ページ24

「なにこれ!?」

コンビニまで行って、帰ってきたら、リビングがめちゃくちゃになってた。

出掛けた時間…たったの15分。

この家の男子は、留守番も出来ないの?

めちゃくちゃになったリビングと、息を切らしながら、座り込む優吾と樹の姿。

たった15分の間に、一体なにがあったんだろう?

「はぁ…。」

思わず、溜め息が出た。

優吾に買い物を頼むべきだったかな?

とか、

どこから片付けたら、早く終わるかな?

なんて、ぼんやり考えてたら

「おかえり。」

って、不機嫌そうな優吾の声。

冷蔵庫からペットボトルを取り出して、そのままがぶ飲み。

「あんた、なにしたの?」

「は?俺じゃねぇし。樹が切ろうとしたから、止めただけ。」

日に日に増える樹の傷。

優吾は樹を止めようとして、そのままケンカになったんだと思う。

「樹、どうして切ったの?」

「・・・・・。」

こんなこと聞いても意味ない。

理由はただ一つ。

“辛いから”

「そんな奴、ほっとけよ!毎日、毎日、もううんざりだよ!!」

「優吾!」

「姉貴が甘やかしてんじゃねぇの?」

「なんで?これのどこが甘やかしてんの?」

樹だって、わざとやってるわけじゃない。

「学校にも行けない、外にも出れない。それって単に、コイツのワガママだろ?」

「ちゃんと最初に説明したじゃん。なんでわからないの?」

「わかんねぇよ!」

優吾にだけはわかってほしかった。

「たった数日で、優吾にわかるわけないよね。」

「偉そうに言うなよ!姉貴は、そんなに偉いのかよ!?」

「偉いとか、そういう問題じゃない。辛いのは、樹なんだって。」

「俺だって、バイトで疲れて帰ってきて、夜も樹のせいで寝れなくて、辛いんだよ!姉貴にわかるかよ!?」

「わかんないよ!疲れた、疲れたって、優吾は家のこと何もしてくれないじゃん!今日だって、北斗のとこ行くって言ったくせに、ずっと寝てたじゃん!」

こうなったら、売り言葉に買い言葉。

今、この場を治める術を持ってる人はいないから、最後は優吾が持ってるペットボトルを投げつけたりするんだろうな。

「もう無理。俺には樹を理解できない。」

「ちょっと優吾!どこ行くの?」

「うるせぇな!バイトだよ!!」

突然変わってしまった生活。

ストレスがないと言えば、噓になる。

「樹、傷見せて。消毒するから…。」

「・・・・・。」

優吾とケンカしたって、何も解決しない。

逆に樹を傷付けるだけだ。

一体、何をしてるんだろう…?

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作者名:浅緋 | 作成日時:2021年7月21日 23時

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