特別編 ページ19
《……死人に口なし》
諸伏さんは、頬杖をついて瞳を閉じた。
《申し訳ないけど、俺が死んだ理由は言えないし、言わない。
死んでも、公安だからね》
それに……と、彼は続ける。
《ゼロはいつか、自分で真実にたどり着いてくれる。だから、君には言わない。
ずるいだろう?君だけが答えを知るのは》
『………一理あります』
《…君に、知っておいてもらいたいことは、
俺は、死んだ今でもゼロを信じてるってことだ》
まるで太陽のような笑みを浮かべる彼に、降谷さんが前に言ったことを思い出した。
光のような男だ。
《……そろそろ時間だ》
フワリ…と温かな光に包まれていく諸伏さん。
こんなことが現実にあるのかと、目を見開いてしまう。
《……なぁ、Aちゃん》
『…なんでしょうか』
諸伏さんは綿毛のように柔らかく立ち上がり、私の頬に手を伸ばした。
触れられないはずなのに、触れているであろう頬は温かい。
《……ゼロを、よろしくな》
___
__
_
『…』
暗い寝室のシングルベッド。
その隅で、彼は体を丸くしていた。
私のスペースをあけてくれているのを見て、気を許してくれてるんだな…と内心嬉しくなる。
静かに近づき、ベッドに腰を下ろして、恐る恐る彼の顔を覗きこんだ。
温かな頬に伝う、涙。
『……ふるやさん…』
彼の名を呼んで、頬を伝う涙を指で拭うと、彼は静かに瞼をあげた。
「……A…?」
『…なにか、嫌な夢でも見たんですか?』
スリ…と、彼に頬を寄せる。
彼は小さく身を捩り、私の背中に手を伸ばした。
「……いや、違う」
優しく、でも、悲しげに笑う。
「ひどく、懐かしい夢だ…」
『……そうですか』
降谷さんの髪を指でとかし、その頭を抱き締めた。
『…それは、素敵な夢でしたね』
「……あぁ。…………でも、」
「胸が苦しくなるな…」
『……大丈夫です、ふるやさん。
今度は、私も一緒です…』
とろり、と瞳をさげる降谷さんにそう言うと、彼は「そうだな…」と私を強く抱き締めた。
「君がいるなら、きっと……」
____
や、やっと終わった………。
ヒョエッ……。
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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最高すぎて一気読みしちゃったでし、、、、、更新待ってます!!!!!!! (6月25日 8時) (レス) @page26 id: 0fb864c8c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - 初めまして!面白くて2日で一気読みしちゃいました!!私のスマホ終わりって表示されてますけど嘘ですよね!?続きが気になりすぎてハゲそうです、、、!いつか続き見れたら嬉しいなぁ〜、、、!! (2023年4月11日 16時) (レス) @page26 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 続きが気になります!体調を崩さずに! (2022年12月23日 0時) (レス) id: 8331d59edc (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 続きが気になり過ぎます!!続きが更新される日を心待ちにしています!! (2022年7月16日 3時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ああああもう最高です。。。😭安室さんかっこいい。。。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page26 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年9月7日 17時