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Case83 ページ2

『背中』

「………はい」



カウンターで申し訳なさそうに笑う安室さん。


現在のポアロにはお客さんはおらず、

梓さんはお休みのこの日。


東都水族館で起こった事件から数日たっても、

彼の傷は完全には完治されていなかった。




『……どうすれば背中なんて打ち付けるんですか…』

「いやぁ、まぁ……流れで」

『そんな流れあってたまるか』



実はひっそりと怒っていたりする。

あんな話を受けた途端に連絡とれなくなるわ、怪我するわ、

こちとら死んだんじゃないかとハラハラしていた。



「自分じゃうまく湿布、貼れないんですよ」

『…』

「……駄目、ですか」

『……安室さん、自分の顔がいいってわかってるでしょ』

「…………ハハッ」



あ、この人わかってらっしゃる。

否定もしなければ肯定もしない。

=

わかってらっしゃる。



『……わかりました。



安室さん、まともにごはん食べたのはいつですか』

「え?」

『ご飯』



安室さんを一瞥もせずそう聞けば、

「あ〜」っと、若干濁し、



「……一昨日、かなぁ…」



と、頬をかいた。



『一昨日、ですか……』

「結構忙しくてね……。
主食、副食ってコンビニではあるけど食べてた」

『今日は?』

「今日も」



おそらく、警察庁へ赴くのだろう。



『……お弁当、食べたくないですか』


カシャン…と食器をしまいながら安室さんに尋ねると、

彼は少しだけ目を丸くした。


「……作って、くれるんですか?」

『昨日のあまりがたくさんあって、食べてくれるなら助かります。

あ、ちゃんと目の前で毒味はしますから』



安室さん……いや、降谷さんの立場上、

人の手作りを口にするのはなかなか怖いことだろう。

ドラマでもやってたし。



とりあえず、お伺いをたてると、

安室さんは「そういう点においては、君のことを疑ってはいないよ」と、微笑んだ。

クッソ顔がいいな。

Case84→←日はまた昇る



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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最高すぎて一気読みしちゃったでし、、、、、更新待ってます!!!!!!! (6月25日 8時) (レス) @page26 id: 0fb864c8c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - 初めまして!面白くて2日で一気読みしちゃいました!!私のスマホ終わりって表示されてますけど嘘ですよね!?続きが気になりすぎてハゲそうです、、、!いつか続き見れたら嬉しいなぁ〜、、、!! (2023年4月11日 16時) (レス) @page26 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 続きが気になります!体調を崩さずに! (2022年12月23日 0時) (レス) id: 8331d59edc (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 続きが気になり過ぎます!!続きが更新される日を心待ちにしています!! (2022年7月16日 3時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ああああもう最高です。。。😭安室さんかっこいい。。。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page26 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年9月7日 17時

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