【名探偵コナン】勘弁してくれ【降谷零】 (ページ25)

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勘弁してくれ25 ページ25

自慢じゃないけど視力には大分自信があることの定評がある私です。

だからこそ、こんな暗くても15mほど離れた降谷さんの手の動きもみえたわけであって、

あれ、私すごくね？

とりあえず、

(チュッチュッしてるのなげぇなああああ)

ゴソゴソと服から手を抜いたあともなおチュッチュッしている二人。

いや、ここ私の家じゃないから私が帰ればいいだけの話なんだけど。

いや、そうしろよ自分。

人様のいちゃいちゃなんて覗き見るものじゃない。

帰ろう。

そう思い、視線を上げた。

バチッ

まるで火花が散るような音が脳内に響くと同時に、

視線の先にいる降谷さんと、

バッチリ視線が合わさった。

や、

っべええええええええ

あわ、あわあわ、と口から空気が漏れ出す私。

そして、

なぜか浮気現場を見られた彼氏のように真っ青な顔をする降谷さん。

よし、

帰ろう！！！

逃げること風の如く！！

小中高は吹奏楽部入ってたんだぜ！！
→関係ない

私は何も見ていない。

そう、何も見ていない。

見ていないったら見ていない、あっそーれ！

夜道を全力ダッシュする私は恐らく不審者だろう。

いや、これにはぁ、わけがぁ……(半泣)

警察官に見つかったときのいいわけを考えながら走り続ければたどり着いた我が家。

階段をかけあがり、

鞄から家の鍵を取り出し、

部屋の前で急ブレーキをかけたと同時に鍵穴へゴールイン。

山口選手、鍵穴を回したぁ！！

扉を開ける！！

中に滑り込む！！

さぁここで鍵をかければ勝利のゴング！！

扉へ振り返り、さぁドアノブをこちらへ引っ張る！！

今、扉が、

しまっっっっっっっっっっっ

ガァンッ！！！

らなあああああああい！！！

◯ムとジ◯リーよろしく、

目ん玉が飛び出した私の視線は、

扉に挟まる高そうな靴だった。

「ちょ、やまっ、やまぐちさ、あし、……あし速ぁっ……！」

『ヒエエエエエエエ！！！』

「いった！？ちょ！閉めようとしないで！！
僕の話聞いて！！！」

『何も見てない何も見てない何も見てない！！』

「あー！もー！！！」

こちらもゴリラよろしく。

扉がオープン。

わぁー、簡単に全開になったぁ。

そんな大チャンスを降谷さんが逃すはずもなく、

玄関に入ってきて、

扉を閉めて、

ご丁寧に鍵までおかけになられた。

そして、私の肩に手を思い切り置いて、

「誤解なんです！」

『何が！？』