【名探偵コナン】勘弁してくれ【降谷零】 (ページ17)

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勘弁してくれ17 ページ17

『んもおおおおちょろいなあああ私ィィィィイイイ』

「心配になりますよ、本当に」

『だからそれを貴方が言うんですか！？』

「ハイ、プリン」

『いただきます！！！！』

あれから見事にプリンにつられた私はあむぴのお家へ。

ちょろくない。私はちょろくない。

『……くっそうめぇ…………』

「実はそれ、僕が作ったんですよ」

『はぁん？』

目の前のあむぴはやっぱりニコニコしていて、してやったり！という顔がもう腹た…………たないんだよなぁ顔がいいからさぁ！！！

「それで、なんですけどね」

『……なんでしょう』

「お返事、お聞かせ願えますか？」

肘をついてニッコリ笑うあむぴに対して私は瞬きを数回。

お口の中のプリンをごっくんしてたっぷり15秒。

『え、マジ？』
「大マジ」

まてまてまてまて。
あむぴよ早まるな。

『ちょ、っと、待って。
あむ、あむろさ、ふむろさ、ふる、ふるやさん』

「…テンパりすぎ………くはっ………」

『そりゃあテンパりもしますわ！！
だって冗談だって思ってたもの！！

ふるやさん、本気だと言うなら考え直せ。
私はおばさんだ。もっといい人がいる。
ほら私ずぼらだし、料理とか得意じゃないし、日がな一日寝て過ごしてたいし、おばさんだし………』

「ずぼらだなんて、僕も同じですよ。料理は任せてください。僕が作ります。寝て過ごすのもいいですね、ゆっくりできる。山口さんがおばさんでも、僕は貴方が好きですよ」

『ふ、ふるやさん！』

どうにも顔が暑い。
冗談だって、からかわれてるってわかっているのに、

(いい歳して、何を………！)

「…山口さん」

いつの間にか席を立って、私に膝をつくふるやさん。
そして優しく私の手を取る。

あれ、王子さまかな。

「あの日の山口さん、とてもかっこよかったんです」

スリ…と私の手の甲を撫でるふるやさんの瞳は伏せ目がちで、
ドロリ…とした甘い瞳がこちらを覗いた。

「貴方と再会して驚きましたよ。
あの日のかっこよさはどこへ？ってね。
これがギャップ萌えってやつなんですね」

『絶対違う！！！』

「貴方はとても純粋で、真っ直ぐで……、
僕にはあまりにも眩しい」

『な、にを……』

顔が熱くて逆上せてしまいそうだ。

そんな私を見て、ふるやさんは目を細めて笑う。

「好きです。山口さん」