I won't cry anymore. (ページ9)

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一頻り泣いた私を北斗は家まで送り届けてくれた

「今日は目冷やして、早く寝ろよ」

『本当にありがとう遠いのにごめんね』

「いいから早く家入れ」

『うん、気を付けて帰ってね』

帰るところを見届けようかと思ったけど
早く家に入るように言われてそれに従った
自分の部屋に戻ると脱力感に襲われ
メイクも落とさずベットに倒れ込んだ

気付けば朝になっていて目覚ましの音で目を覚ました
急いでシャワーを浴び準備をして家を出た
大学に向かう途中、彼から電話があった
出るか出ないか悩んだ末、私は出るのをやめた

そこから猛ダッシュで大学に向かい
大学に着くと彼が門の前で待っていた

「なんで電話でないわけ？」

『気付かなかった』

「嘘つくなよ、なんかあるんだろ
　昨日も何も言わずに帰ったじゃん
　言いたいことあるなら言えよ」

声を荒げて彼はそう私に投げかけてきた

『私もう樹くんに会いたくないの』

「なんで？」

『私は樹くんの1番になれないから』

それだけ告げ私は彼の前からまた逃げた
一瞬寂しそうな顔をした彼の顔をみて胸が痛んだが
脳裏から消し去るかのようにただ走った

教室につき息を落ち着かせ、講義の準備をする
冴えない始まりに溜息がでる

「Aおはよ」

『北斗おはよう、昨日はありがとう』

「そのことはもういいよ、てかさ
　今日少し時間ある？」

『今日なんにも予定ないし空いてるよ
　どうしたの？』

「母親からさ美術館のチケット2枚もらったから
　行かない？まあ興味ないと思うけど笑」

『なかなか失礼だね笑いいよ行こう』

講義が終わり北斗と教室を出る
するときっと彼女であろう女の子を連れた彼が
前から歩いてきた

北斗がそれに気付いた瞬間、何故か私の手を握り
見せ付けるかのように歩き始めた

「なんだそういうことかよ」

納得のいかない表情を浮かべる彼に
北斗が "こいつ俺のだから" と一言だけ告げて
その場から去ろうとしたすれ違い際に彼が

「お前は俺のだから」

小さい声で囁くようにそう言った
きっと彼女にも北斗にも聞こえていない
さっきとは打って変わって余裕のある発言に
少し苛立ちを覚えた、やっぱり私は彼にとって
ただの遊び道具に過ぎないんだとその時確信した