I won't cry anymore. (ページ15)

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就活シーズンに突入した私達はお互いに忙しく
なかなか会えずにいたすると北斗から電話がかかってきた

「もしもし？久しぶり」

『もしもし、久しぶりだね
どうしたの？』

「多分忘れてると思うんだけど、今日さAの
誕生日じゃん？会えないけどおめでとうは口で伝えたくて」

『あっ、本当だまた完全に忘れてた笑』

「前もこんなことあったよな笑
もうすぐお互い落ち着くだろうしそしたらちゃんとお祝いさせて」

『わざわざありがとね
それを楽しみに就活乗り切るから』

「俺もその為に頑張るわ」

"お互い頑張ろうね"って励まし合い電話を切れば
すでに今日の面接を終えていた私は誕生日だし
自分にプレゼントをって思い立っていつかの
アクセサリーショップに足を運んだ

あれも可愛いなこれも可愛いなこれは北斗が好きそうだななんて思いながらアクセサリーを見ていたら
涙型のサファイアのピアスを見つけた青色はそんなに
好きじゃないけど何故かそのピアスに惹かれた

手に取りお店に入り込む光にピアスを翳せば
青色になる光、不思議と悲しい気持ちになった
その時お店にあの日以来の彼が訪れた彼と一瞬目が
合えばいても経ってもいられなくなり手に持っていた
ピアスを置いて逃げるようにお店を後にした

早歩きで駅に向かい駅のベンチに腰をかけた
久しぶりに見た彼の姿が脳内から消えない
溢れかえりそうになる気持ちを沈め深呼吸をする
忘れた頃に引き合わせるなんて神様は意地悪だ

北斗にこのことを話すか話さないか悩んだけど
彼と会話を交わしたわけじゃなかったから辞めた
何より北斗のことを傷付けたくないそう強く思った

この事を忘れるかのように家にあった
缶酎ハイを一気に流し込み眠りについた

あの日の海、初めて彼とキスをしたあの岩場
私は海を思い出に浸りながら1人で歩いていた

「Aちゃん？」

彼が目の前から歩いてきて私の名前を呼んだ
彼は私の顔を見ればこちらに走ってきて
"会いたかった"と思いっきり抱きしめる

今度はその後ろから

「A？なにしてんの？」

北斗が今にも消えそうな声でそう問いかけてくる
北斗の方に駆け寄ろうとするも全く離そうとする気配
のない彼

「行かないで」

と2人の声が重なりそこで目が覚めた
すごく悲しくて辛い夢を見ていた