強がり_JK ページ36
_JK
『うわぁ…きれい…。』
目の前に広がる夜景を見て、目をまん丸にしたレオが呟いた。
「きれいでしょ。」
ソウルから少し離れた山の中腹。
夏は車が多いけど秋になればあっという間に人気がなくなるから、意外と穴場なんだ。
景色の綺麗さは変わんないのに、寒いとみんな来る気なくなるんだね。
ここで1人夜景を見てると、
なんだか現実から切り離されたような気持ちになって、頭の中を整理しやすくなる気がして。
だから、悩みで頭がぐちゃぐちゃになったらここに来る。
『キラキラしてる…。すごい。ヒョン、すごいです。』
柵に手をついて、文字通り立ち尽くしてるレオ。
「あっちがソウルだよ。」
遠くで一際輝く街。俺たちが住むソウル。
『なんだか違う世界みたい…。』
「ね。普段あんな眩しいとこにいるんだよ。」
『変な感じですね…。』
何を考えてるのか、レオは遠くのソウルの街をじっと眺めてる。
横顔は暗くてよく見えないけど、目が遠くの光を受けて潤んだように輝いてる。
「ねぇ、レオ。」
『はい?』
ようやくその視線が夜景からこちらへ向いた。
「さっき、レオの隠してること気づいてるよって、言ったでしょ。意味わかった?」
『…わかりません。』
困ったような声色。
別に隠してることを責めるつもりはないんだけど、
どうしたらそれが伝わるかな…。
「レオはさ、弱さを見せないんだよね。いつでも大丈夫って言う。その怪我だって、本当はすごく痛いだろうし、怖かったはずなのに、大丈夫なふりしてるでしょ。」
『そんな…ことは…。』
レオが俯いて口ごもる。
「今日レオの話を聞いてわかったよ。一人でレオたちを育ててくれたお母さんの前で、弱音なんか吐けなかったんでしょ。学校に行かせてくれた社長さんの前で、遊んだり逃げたりすることもできなかったんでしょ。」
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ポニョ(プロフ) - スミスキーさん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。がんばりますね!! (2021年8月29日 12時) (レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
スミスキー(プロフ) - 凄く面白くて大好きで!!更新頑張ってください!! (2021年8月29日 5時) (レス) id: 78ab9a25ad (このIDを非表示/違反報告)
ポニョ(プロフ) - ヌナさん» ありがとうございます!お褒めの言葉、励みになります。 (2021年8月24日 7時) (レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ヌナ(プロフ) - ほんっとに面白いです!最高です! (2021年8月23日 23時) (レス) id: 0a8f295be4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポニョ | 作成日時:2021年8月22日 16時