06.もやもや五条くん ページ7
好きな人がいるって本当に楽しい。日々を生きる糧にもなるし、自分を高めてくれる存在にもなる。最近任務が多くてだるいなぁってサボりたくなっても、今頃彼も大学かカフェで頑張ってるんだよなあって思えば、自分も頑張らなきゃという気持ちになる。きっと、私が生きていく中で好きな人の存在は必要不可欠なんだ。
授業や任務の合間で隙を見つけて、カフェや彼がペットの犬を散歩させている公園に通った。彼と仲良くなったきっかけは、彼が公園で犬を散歩させているところに遭遇したところだった。私は勿論彼をかっこいい店員さんとして認識していたし、彼も私を常連の女子高生と認知してくれていたらしい。
2週間カフェと公園でと会い続けて、プライベートの時の彼はタメ口で話してくれるようになった。大分打ち解けてきたのでは?と浮かれて、そろそろ次の段階に進もうかなと考えている頃だった。
「A、今日もあいつのとこ行くの」
「うん。任務終わったし、癒されに行ってくる〜」
今日は同期全員で同じ任務に行かされていた。難しい任務ではなかったけど、呪霊の発生条件により4人で行かざるを得なかったのだった。そちらも完了し、補助監督の迎えを待っている間に五条くんが話しかけてきた。
五条くんは頬を人差し指でかきながら「…。俺もそいつのカフェ行く」と言い出した。
「そうなんだ。良いところだよ。この前もオススメしたけど、キャラメルラテがいいと思う。あ、ちょっと入り口が分かりにくいから迷わないようにね」
「?Aも今からカフェ行くんだろ?」
「ううん、私は行かないよ。だって今日、彼シフト入ってないもん」
「じゃあどこ行くんだよ」
「公園!彼がペットを散歩させてるの。柴犬の女の子なんだけどね、すっごくお利口さんなんだよ」
「はぁ?!じゃ、じゃあ、俺も一緒にそっち行く」
「え。ヤダよ」
「あ?」
「五条くんといたら何か勘違いされちゃいそうじゃん。折角彼と仲良くなってきてるのに」
「俺だってお前なんか興味ねーよ!柴犬に会いたいだけだし」
ほんのりと目元をピンクにして声を張る五条くんに、そんなに柴犬好きだったっけ?と違和感を覚える。付き合っていた頃は知らなかった事実だ。
「犬カフェでも行ってくれば?」
「男1人で入りづれぇだろ」
「夏油くんか硝子ちゃん」
「あいつらは来ねーよ。ならお前が来い」
「私、元カレとデートはしない主義なんで」
「…。あー、そーですか!!」
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雨宮 - こういうオリ主人間味があって好きです、面白かったです。 (12月6日 19時) (レス) @page8 id: ec3fa44d4f (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ゆずなさん» ありがとうございます!更新は不定期ですが、少しずつ頑張っていきます。 (11月3日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あやさん» はじめまして。恋多き女故に終わった恋に執着しない夢主を五条はどうするのか…。お楽しみいただけると幸いです。 (11月3日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 霧雨 音葉さん» 初コメありがとうございます。素直になれない五条を書くの、私自身も楽しんでいます。笑 (11月3日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - この作品めっちゃ好きです!続き待ってます( *´꒳`* ) (10月31日 22時) (レス) @page7 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2023年10月18日 21時