02.片想いの終わり ページ3
見事五条くんと付き合うことになった。と言っても、彼女の肩書は名ばかり。
手料理を振る舞おうと思っても「人が作ったもの食べるの苦手」だと言われたし、
デートしようと誘ってみても「傑と遊んでくるからごめん」と全然気持ち込めずに謝られるし、
デートはしたことない割には、彼の気が向いた時だけ呼び出されてキスやそれ以上のことをするし。
本当に私は五条くんの彼女なのだろうか____。
と、悲観したことは1度もなかった。
大事なことだからもう1回言おう。
そう、悲観したことはなかったのだ。
何故か。私は好きな人や恋人にとことん尽くしてあげたいタイプだった。愛に見返りはいらない。だから、“好きな人に尽くせている”この事実さえあれば満足だった。例え、彼氏が自分のことを好きじゃないとしても。側にいて、愛を届けることができる。それだけで私は、彼氏からの愛のないお付き合いだって幸せを感じることができた。
その、代償だろうか。付き合っている時はとことん尽くすし、彼以外見えないというくらいにちょっぴり危険な程夢中になっている。でも、別れた途端に、強風に吹かれて塵になった砂の塔のようにそれは消えてしまう。一瞬で恋の魔法が解けてしまうのだ。五条くんの時も、例外ではなかった。
進級して2年生になった割とすぐ、五条くんが別れを切り出した。
「なんか最近、Aといても楽しくないんだよね。別れよ」
別れ話をされても、心はちっとも陰らなかった。むしろ、徐々に冷めていく。私は考える間も無く了承する。
「分かった。でも私、復縁とか無理なタイプなんだけど平気?」
「は?」
「私、別れると元カレに2度と興味湧かなくなるんだよねぇ」
「別に、平気だし」
五条くんにも同意を貰えた為、別れることとなった。この瞬間にはもう、唯一無二の神様みたいにあんなに格好良く見えていたはずの彼が、ただの道端のイケメンにしか見えなくなっていた。
五条くんに「じゃ、また明日ね」と手を振った時には、早く新しい恋したいなあ〜とすら思うようになっていた。
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他作もよろしければ…。
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五条先輩は私を“推してない”【五条悟】
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雨宮 - こういうオリ主人間味があって好きです、面白かったです。 (12月6日 19時) (レス) @page8 id: ec3fa44d4f (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ゆずなさん» ありがとうございます!更新は不定期ですが、少しずつ頑張っていきます。 (11月3日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あやさん» はじめまして。恋多き女故に終わった恋に執着しない夢主を五条はどうするのか…。お楽しみいただけると幸いです。 (11月3日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 霧雨 音葉さん» 初コメありがとうございます。素直になれない五条を書くの、私自身も楽しんでいます。笑 (11月3日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - この作品めっちゃ好きです!続き待ってます( *´꒳`* ) (10月31日 22時) (レス) @page7 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2023年10月18日 21時