友情の先にあったもの。(ymin)

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IN side


気合いを入れてきたのに……今日の合コンはウチ的には何とも微妙な感じ。

でも、薮は想い人知念くんと楽しくお話しが出来てるようで良かった。

4人でいるとなんとなくお姉ちゃんポジになる薮だけど、好きな人の前では長く一緒にいるはずのウチらも知らない顔をする。

薮の恋が上手くいくといいな。


ウチは、話して居て1番気が合うのは大ちゃんだけど残念ながら顔がタイプじゃない。

面食いな自覚はある。

裕翔の顔がどストライクに好みだけれども、当のその人は山田にメロメロでウチには到底脈はない気がする。

……山田は裕翔のことをどう思っているのかな。


「ちょっとお花摘みに行ってくる」

「リアルにそのフレーズ使う人と初めて出会ったんどけど」


大ちゃんにめちゃくちゃ笑われてるが気にせずに席を立つ。



用を済まし、ついでにメイクも直しから戻ろう。
飲食をしたのでとれてしまったグロスを塗りなおすためにポーチから取り出す。

グロスが落ちた唇からはため息が漏れる。

このまま薮や山田に彼氏ができたら…光だってめちゃくちゃ可愛い。すぐに恋人が出来るだろう。


知念くんも薮に気があるかもな、というのは傍から見ていてもなんとなく感じるし。
山田は言うまでもなくめちゃくちゃモテる。
光だって高校生の頃他校の男の子に告白されてるのを知っている。


自分だけ、おいていかれちゃう。
慧だけが誰にも好かれたことなんてない。


お酒も入ったせいで、ネガティブになりかける気持ちを追い払うようにグロスを塗りなおして気分を持ち直す。

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