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いつも通りの声で話さないと、といつもより気を使って声を出す。
紫「……もしもし」
黄『もしもし。今、どこにおる？』
＿＿正直に言ったら怒られるやろうな。
紫「……家やけど、どした？」
黄『本部から事件の引き継ぎが来てな。それがちょっと厄介そうでさ。今日のうちに会議したいんやけど、集まれるか？』
咄嗟についた嘘がバレずに済んだことにホッとしながら、返事した。
紫「おん。分かった」
黄『ありがとう』
俺はスマホの画面に映った通話終了の文字を見て、すぐにスマホをポケットの中に戻し、リングを指に填めた。
外へ繋がるドアを開けようとした時、ふと、もう既に傷一つついていない手のひらを見つめる。
＿＿警察である自分と、犯人に憎悪を募らせる自分。もう一度あいつと対峙した時、俺は果たしてどっちの自分を優先させるんだろうか。
＊
淳太からの収集で、俺は拠点の大テーブルに座りながら、暇つぶしにチョーカーについた赤いクリスタルを手で弄り遊んでいた。
ここしばらくは未成年による能力犯罪の取り締まりで誰かしらが出払っていたから、七人全員が拠点に集まるのは久しぶりだ。
�陲舛磴鵑�謝りながら拠点に姿を現したのを見て、俺はひょい、と手を上げる。
赤「おはよー」
紫「すまん遅くなった」
赤「急やししゃあないしゃあない。……んで、どんな事件なん？捜査一課が直々に頼んでくるなんて珍しいやん」
今回引き継がれた事件は、本部の一課が担当していた事件だった。同じ区内で次々と行方不明者が現れたことから、事件性ありと判断されたらしい。
黄「ああ。どうやら一課直属の特殊部隊が音信不通、行方不明になったらしくてな」
淳太の言葉に、流星が首を傾げる。
青「全員が急に？」
黄「そうらしい。元は行方不明事件を捜査していて、犯人の居場所を特定して、特殊部隊を派遣させたけど……」
橙「全員が音信不通になったと、そりゃあ能力者の仕業と考えても不思議じゃないわな」
ふんふん、と照史が頷く。続いて小瀧が眉をひそめながら口を開いた。
桃「特殊部隊って確か15人くらいいるよな？それを一気に攫ったってこと？」
緑「……特殊部隊が乗り込んだ犯人の居場所というのが、T区の山奥にある一軒家なんですが、その一軒家で十年前に殺人事件が起きて以来、事故物件として放置されていたそうです」
そう呟きながら、神ちゃんがパソコンのキーボードを叩いた。
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作者名：@雑草 | 作成日時：2023年3月8日 12時
