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紫「何個かこういうのに強そうな奴に声掛けてみるで」
橙「俺も。……って言っても、今はもうほとんど更正した子達やから効果があるかは分からんけど……」
照史が眉を八の字にしていると、淳太が微笑んで頷いた。
黄「ありがとう。今は情報は多い方がいいから、気にすんな。じゃあ解散。ゆっくり休んでくれ」
桃「お疲れ様」
青「おつかれ」
皆が帰っていくのを尻目に、俺はデスクに座る。
黄「しげ、帰らへんのか？」
赤「ちょっと神ちゃんに話があって……」
俺がそう言うと、淳太は少し考え込んだ後、口を開いた。
黄「分かった」
赤「うん」
俺は淳太に軽く頭を下げて、サイバールームに向かった。
赤「神ちゃん、今大丈夫？」
緑「うん。どうしたの？」
神ちゃんが椅子に腰かけたまま首を傾げる。
赤「ああ、いや、最近色々立て続けにあったから、大丈夫かなーって」
俺がそう言うと、神ちゃんは柔らかく微笑んだ。
緑「大丈夫やで。ありがとう、心配してくれて」
神ちゃんの言葉に、首を横に振る。
＿＿違う。もっと、ちゃんと話さなきゃならないことがあるやろ。
俺は自分にそう言い聞かせて、口を開く。
赤「……あのさ」
緑「ん？」
赤「神ちゃんの両親って、どうしてるの？」
緑「両親……？」
赤「その、神ちゃんが実験に利用されてたとしたら、親が黙ってないんちゃうかなって思って」
神ちゃんは少し口を噤んだ後、首を振って答えてくれた。
緑「……分からない、覚えてないの。でも、俺も考えてた。……もしかしたら、両親に売られたりしたのかもしれないなって」
赤「……実はさ」
緑「うん」
赤「俺も、施設に入る前の記憶が無くてさ」
緑「えっ……!?」
赤「なんも思い出せんくて、でも、神ちゃんの話を聞いた時、思い出してさ。俺も同じようなとこにいて、誰かに見られてる記憶なんやけど、その人の目が、少し暗い……緑色に光ってて」
緑「緑色……」
赤「いや、全然関係ない可能性もあるけど、何となく胸騒ぎがしてさ」
緑「とにかく、調べてみる」
赤「ごめんな。余計なこと言って」
緑「ううん。逆にありがとう。ほら、照史も言ってたやろ？心の中のこと全部話そうって。俺も、なるべく皆に話すようにするから」
赤「せやね。ありがと」
＿＿もし、何か関係があったら、俺は……。
心の中にじわじわと黒い不安が広がっていくのを感じながら、俺はサイバールームを後にした。
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作者名：@雑草 | 作成日時：2023年3月8日 12時
