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橙『なんなん……これ……』
照史の呆然とした声が頭の中に響く。
部屋には長方形の食卓の上に
でも、もっと異様なのはそこに座っている人だった。皆氷漬けになっており、肌が青白く固く目は閉じられていた。
周りには執事やメイドのような格好をさせられた人が居り、同じく氷漬けにされていたが、こっちは仮面を被せられていた。
紫『これは……』
＿＿ここにいる人たちは、果たして生きてるのか？それとも、仮死状態に……？
いや、時間的に考えると……。
赤『神ちゃん、顔認証システムで照らし合わせられる？』
しげちゃんがそう問いかけるも、神ちゃんの返答は無かった。
赤『神ちゃ＿＿』
しげが再度尋ねようとしたその時、淳太が少し焦った声色で遮るように答えた。
黄『こっちでやっておく。けど、多分一課の機動部隊も混ざっとるな』
橙『……下手に触らん方がええな、仮死状態にいるなら＿＿まだ"可能性"はある』
照史の言葉に同意しようとしたその時、部屋の奥にある扉が開き、にっこりと微笑む
「"お客様"ですか、と尋ねたいところだけど、その目を見るに、能力者の人かな？」
紫「……あんたを逮捕しに来た。錫雪 累」
俺の言葉に、錫雪は口元へ手をやり少年のように笑った。
「あははっ。……ここだと大切な"お人形さん"たちが壊れちゃうから、こっちへどうぞ」
にっこりと笑ったまま、錫雪はドアの向こうへと消えた。
俺らは顔を見合せ、慎重にその後を着いて行った。被害者を巻き込む訳には行かないからな。
扉の向こうは広いホールのような場所になっており、よくよく見てみると弾丸の後や血痕があった。
「ここなら存分に遊べますから」
橙「さっきのお人形さん、てのはどういう意味や」
照史がキッと睨んでそう問い質す。
「そのままだよ。僕だけの綺麗なお人形さん。」
橙「お前は自分の欲だけの為に何人もの人を攫った訳か」
錫雪は照史の言葉を鼻で笑って答えた。
「人間なんて皆何かしらの欲を持っているものでしょ？貴方たちの中にも、どうしても叶えたい何かしらの欲を持っているんじゃない？」
俺はそれを聞いて心臓がドクンと高鳴るのを感じた。
紫「……犯罪者は全員消してやる」
口から勝手に言葉が漏れ出て、気づいた時には我を忘れて錫雪に向かっていた。
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作者名：@雑草 | 作成日時：2023年3月8日 12時
