▫ ページ9
＊
赤「小瀧!!」
桃「しげ……！」
赤「急ごう」
丁度入口で小瀧と出くわし、急いで拠点の中に駆け込む。
ガラス戸が木っ端微塵に吹き飛んでおり、室内は見るも無惨な姿になっていた。スクリーンは割れ、デスクや椅子は大破、散乱していた。
ふと、モニタールームのすぐ近くに人が倒れているのに気づく。
桃「流星……!?」
小瀧と駆け寄ると、それは紛れもなく流星で、固く瞼を閉ざしていた。隣には、ユートピアの構成員であろう男も倒れていた。
桃「流星！流星!!」
小瀧が大声で叫ぶ。俺は流星の首元に手を添えた。トクトクと脈打っているのがわかる。
赤「大丈夫、息はある。病院に連れていこう。救急車呼べるか？」
桃「わ、分かった」
俺は隣に倒れていた男の脈を確認して、既に死んでいることを理解した。
赤「仲間も平気でやれんのかよ……」
周りを見渡して、所々結晶化している場所があるのに気付き、神ちゃんが能力を使ったんだということが分かった。
悔しさが脳内を占拠し、こめかみが軋むほどに歯を食いしばる。
赤「クソ……ッ!!」
壁をガンと殴る音が、傷だらけの拠点内に、嫌に大きく響いた気がした。
＊
桃「……」
集中治療室の外から、ベッドの上で眠る流星を見つめる。
身体の中の出血は止まり、山場は超えたらしい。
それでも最悪の想像が頭から離れなくて、俯いてギュッと目を瞑る。
その時、二つの足音がこっちに駆けてくるのが聞こえてきた。
バッと顔を上げると、息を切らした照史と�陲舛磴鵑�こっちに走ってきてるのが見えた。
桃「照史……�陲舛磴鵝帖帖�
橙「望、流星は？」
桃「山場は超えたって。でも、でも……」
俺がそう言うと�陲舛磴鵑�俺の肩を力強く掴んだ。
紫「信じよう、流星を。こんなとこでへこたれるような奴ちゃうやろ？」
桃「……うん」
込み上げてくるものを堪えて、俺は小さく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：@雑草 | 作成日時：2023年3月8日 13時
