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その冷たい感覚がした方へ視線を向けると、黒いクリスタルが電球の光を反射していて、やけに眩しく見えた。
そのまま、暖かい手が俺の手を包んだ。暖かくて、それでいて大きくてたくましい手。
橙「神ちゃん、もう大丈夫やから」
優しい照史の目を見て、思わず涙が溢れた。
赤「神ちゃん、ごめんな」
しげがそう言いながら立ち上がり、俺をひしと抱きしめる。
なんでこの人は謝るんだろう。何も悪くないのに、傷つけたのは、俺の方なのに。
そう考えながらも、もう片方の手を恐る恐るしげの背中に添える。
＿＿暖かい。さっきまでの暗い思考が、夕陽みたいな明るい光で照らされているみたいだった。
俺には勿体ないくらいの、暖かな優しい光。
俺はきっと、人の役に立ちたいんじゃなくて、人の役に立つことで汚れた自分の過去を救いたかったんだ。
緑「ごめ、んね……」
掠れた声でそう伝えるのと同時に、身体から段々力が抜けていっていくのがわかった。安心感からか、それとも疲労感からだろうか。
重くなった瞼を、俺はそのまま抵抗することなく閉ざした。
＊
ガクンと崩れた神ちゃんの身体が倒れないように抱えた。
赤「神ちゃん……!?」
照史が神ちゃんの首に手を添えて、口を開いた。
橙「大丈夫。多分、疲れて気を失ったんやと思う」
赤「そっか……」
その時、上の階から大きな音が聞こえてきた。
橙「しげ、一応俺の後ろにいて」
照史が俺らを庇うように立ちはだかる。しかしそれは急に終わり、すぐ後に�陲舛磴鵑寮爾�頭ん中に響いた。
紫『こっち終わったで。まだ構成員が居るかもしれんから、早めに撤退しよう』
桃『神ちゃんは？無事？』
望の問いに、照史が答える。
橙『うん、今は気ぃ失ってるけど、なんとかなったよ』
青『……多分、構成員はいない。さっきまで何人か居たけど、逃げたみたい。撤退するなら今かも』
赤『分かった』
俺は流星の言葉に頷いて、神ちゃんを抱えようとした。
それと同時に、腕にズキッとした痛みが走る。そうやった、俺腕やられてたんだった。
赤「いって……」
橙「二人で片方ずつ支えよう。行けるか？」
＿＿照史も足怪我してんのに、さっき咄嗟に庇おうとしてくれたんやな。
赤「うん。ごめん」
心の中で照史に感謝して、俺が怪我していない方の腕を神ちゃんの肩に通そうとしたその時、部屋に�陲舛磴鵑半�瀧が姿を現した。
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作者名：@雑草 | 作成日時：2023年3月8日 13時
