能力犯罪特別対策室(3)【JW】 (ページ29)

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橙「灰浜ァ!!」

俺はそう叫んで灰浜の足を狙った。狙い通り当ったが、少しタイミングが悪かったのか、手応えがあまり無かった。

俺は左に振るった腕を右に振り直したが、ガン、と重い音が鳴り、そのまま何かがこっちへ飛んできたのを横へ受身を取りながら転がり、何とか躱した。

少し頬を掠ったのか、ピリピリと痛みが走る。

橙「野郎……」

＿＿あいつ、自分の足と俺の腕の間に瓦礫を念力で持ってきて俺の攻撃を防ぎやがった。さっき手応えが無かったのも、これが原因か。思ったより隙がないな……。

そう思っていたのも束の間、拘束が解けたしげが灰浜の上にワープしたのが見える。そのまま踵を落とすも、俺がさっきやられたのと同じ防御をされ不発に終わった。

灰浜がそのまま空中にいるしげを睨み、ナイフを飛ばす。

赤「チッ……！」

しげはすぐにワープしてそれを回避したが、何箇所かに切り傷が出来ていた。

橙『こいつ、かなり戦い慣れてるわ』

赤『研究者でもあり戦闘員でもあるわけか』

橙『せやね』

黄『すまん、読みが甘かった。大丈夫か？』

淳太くんの言葉に俺はすぐにテレパシーを返した。

橙『だいじょぶだいじょぶ』

神ちゃんをああいう風に言うってことは、多分こいつも幹部クラスやろうな。

橙「どうするか……」

黄『さっきのを見た感じ、やっぱり操れる量や質に限りがあるのは間違いない』

赤『せやな。その隙を突きたいけど、中々ムズい』

橙『ああ。やっぱ幹部クラスじゃ隙もないな』

＿＿俺の腕じゃ、瓦礫を防いだ時に破片が散らばって、余計に灰浜に有利になってしまう。

灰浜はニヤリと笑うと、再び幾本ものナイフを横一直線に並べ、勢い良く飛ばしてきた。

しげは上に、俺は腕を交差しながらしゃがんで回避する。

すると、いきなりしげの大声が頭ん中に響いた。

赤『照史！飛べ!!』

橙「!?」

しげの言葉に後ろを振り向くと、交わしたはずのナイフが俺に向かって集中して飛んできた。

なんとか飛びながら腕で何本か弾くが、何本か弾き損ねたナイフが俺の足を切り裂いた。

橙「ぐっ……！」

＿＿あいつ、俺の動き見て何本かナイフの起動変えてたのか……！

赤「てめえ……!!」

しげが鬼の形相で灰浜の近くにワープしたのが見えた。

　