能力犯罪特別対策室(3)【JW】 (ページ23)

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橙『着いた、あそこや』

照史の声が頭の中に響く。

車のドライブレコーダーを通して、神ちゃんがいるであろう廃病院の姿が、荷台のモニターに映った。

赤「あそこか」

小瀧が俺を一瞥して、視線をモニターに移す。

桃『作戦は？』

黄『今回は神ちゃんの救出が最優先。もし構成員が中にいた場合は、人数によって分ける人数を決める。でも、多分別れても二、二かな。どちらにしろ神ちゃんを含めて三人以上になるようにした方がいいと思う』

赤『了解』

＿＿今回は通信機が使えない。淳太の負担も考えると、短時間で終わらせたいな。

紫『光弾を放つ子が居た場合は俺が相手するよ』

俺は濵ちゃんの言葉に頷いた。

赤『助かる』

その時、頭の中に予期せぬ声が響いた。

青『病院の構造は俺が把握する』

桃「流星!?」

向かいにいる小瀧が驚いたように声を上げた。

赤『大丈夫か？』

青『すまん皆、迷惑かけた』

橙『良かった……これで心置きなくやれるわ』

紫『流星のサポートがあるなら病院の中で迷ったりは無さそうやな』

桃『でも、無理すんなよ。まだ病み上がり……っていうか起きたばっかなんやろ？』

青『うん、分かってる』

黄『じゃあ、作戦開始』

淳太のその言葉に、俺らは一斉にトラックから降り、静かに病院に駆け寄った。

裏口のドアノブに手をかけたが、ガタッと音が鳴るだけでドアは開かない。どうやら頑丈に鍵がかけてあるらしい。

赤「鍵閉まってるわ」

橙『ちょっと待ってて。流星、大きい音するで』

照史はテレパシーでそう言うと、ドアを腕で思い切り殴り飛ばした。

紫「おおー、お見事」

橙「帰りの為にも大穴開けとかないとね」

照史はそう言うと、俺らにアイコンタクトして中に突入した。
それに続いて俺らも病院の中に駆け込むと、そこには長い廊下が続いていた。診察室やら検査室やら、字が掠れた看板が壁から吊り下げられていた。

赤『どの部屋や？どこに神ちゃんがいる』

青『今の音のおかげで結構な範囲が分かった。なんか地下があるっぽい、3mくらい前の右の方の扉……鉄扉かな、多分倉庫みたいなとこ。そこが地下に繋がってる』

赤『ナイス。ありがとう』

橙『普通の病院だったのに地下があるの、ますますきな臭いな』

赤『俺もそう思う』

黄『分かった。ひとまず四人で地下に向かってくれ』

赤『了解』

俺らがドアに向かった時、ダンと大きな音と共にドアが吹き飛んだ。

　