空に恋した花物語 - short story’s - (ページ2)

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NJ's story ページ2

NJ side

机の上には空になった4本のチャミスルとC1が並べられた。

夜も更けてあたりの光はひとつまたひとつと消えて行く。

時刻は12時を過ぎようとしていた。

・

「ジンヒョン、僕の考えの答えはどこにありまふか？」

「やー、ナムジュナ。それはお前が決めることだろ。」

「じゃあ、ジンヒョンの考えの答えを教えてくださいよ」

「俺？俺は、この美しい顔に助けられる人生であり、この美しい顔があってこそ、生きていられる人生。俳優への道を諦めたわけじゃないけど、別の人生を選んだとしても、周りが最初に言うのは『カッコいい』だろうね。ヒャヒャヒャ」

「……？」

酔いも回っていて、理解力が落ちてきたのか。

ジンヒョンも、ウケると思って言ってる顔をしてるけど、マネヒョンも全然笑ってないから、きっとこの話は滑ってる。

でも、お構いなしに話を続けるジンヒョン。

「なにが言いたいかっていうと、俺の人生は、周りがいてこそなんだよ。人間誰でももちろんそうだけど、特別に俺なんかはそう。この商売は、好かれてなきゃ俺たちは食っていけない。その武器は、歌声でも、ダンスでも、顔でもいいわけだ。努力は必要だけど、持って生まれたものが良かった。それだけなんだよ…。」

少し寂しそうに笑うジンヒョンを

グルグル回りはじめた視界の中に収めた

そこで僕の記憶は途絶えた。

・

「…………」

「……ください」

「起きてください！！！」

耳元で聞こえた声で飛び起きた。

とっさに視界に入ったのは、机に突っ伏して寝ているジンヒョンとマネヒョンまでいる。

マネヒョンもツアーの最終日とあって疲れてたのか、バッチリ寝てしまっている。

「……あぁ、ごめんなさい。もう閉店の時間ですか？」

まだ少しぼやける視界の焦点が定まるのを待ちながら

起こしてくれた店員さんに聞く。

「……とっくに閉店時間は過ぎてます。」

少しふてくされたような口調で答えが返ってくる。

「すみません。」

開ききらない視線で向き直り店員へ謝罪する。

「……ただ、話は面白かった…です。なんか、共感できましたし、でも、新しくて…」

その声が耳に届いた時

やっと僕の視界に初めて君が映った

「あなた方にしかない感覚なのかなとも思いました。」

・

それはそれは、ありふれた出会い方で僕たちは出会ってしまった。