バンタン街のあの子《起》

10.憧れ JG ページ10

【side ジョングク】


いきなりオッパって呼ばれ自己紹介をされて

少し……いや、だいぶ戸惑ったけど


日本から来た女の子！




グッと自分のテンションがあがるのを感じて



自分の中の嗅覚がくんくんと反応する


……少し幼く見えるけど、多分この人僕より年上じゃないかな、、、






「あの、道に迷ってしまって……
スーパーホビ…？っていうお店に行きたいのですが」




ホソギヒョンのスーパーは、そんなに大きくないながらもすごい売上がいいって聞く、だいぶ穴場のスーパー。





『そしたら、僕が案内しますね』



自分がここまで積極的に動くのは珍しい気がする





「いいんですか！？ありがとうございます」



ふんわりと笑う彼女が揺らした髪の毛からは、桜の香りが漂う。



『確か、今日10時半からキムチの詰め放題やるって言ってた気がするのですが、もしかして、それ目当てだったりしますか？笑』



「バレましたか？笑」



警備棒をふりながら数がだんだん減ってきた子供達の通学を見送りながら


彼女とたわいもない会話をする。


ちょっとだけ違う韓国語は、なんだかとても可愛くて




僕が日本に行きたいって言うと、嬉しそうに日本の話をしてくれる。





僕が日本語を話すと、優しく日本語を訂正してくれる。



僕がこの街を好きだというと、じゃあその魅力を教えてと微笑んだ。





9:30に学校の始業のチャイムが鳴る




警備棒を腰にさして、今まで僕の後ろで小さく相槌を打ちながら会話をしてくれていたAさんの方に向き直る





『Aヌナって呼んでもいいですか？』




彼女の前だと自分でも驚くくらい積極的で



「いいよ笑ジョングキ笑」


なんて笑ってくれるから多分この時から



Aヌナは


僕の憧れの人。

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