バンタン街のあの子《起》

5.オッパ JG ページ5

【side ジョングク】



警察官の朝は早くて、もーやってられない！

って頭ではいつも思うんだけど


この強靭な体はどうも優秀で


今日も子供達の交通整理にはげんでいる。



子供1「おはようございます！」


子供2「チョンじゅんさぶちょー！お疲れ様です！」


可愛い赤と黒のランドセルの子供達に挨拶をされると自然と綻ぶ顔


『気をつけて学校に行くんだぞー』



赤い棒を振りながら、子供達とハイタッチを交わす



「ジョングキオッパ！」


突然後ろから声をかけられる



ビクッとして振り向けば、



『ユナ…』


後ろには黄色い制服を来たユナが立っていた。


「オッパ、みて！わたしやっと高校生になったよ！この黄色い制服、憧れてたから、本当に嬉しい！」



そういってユナはクルリと一回転したり、ブレザーの袖を、引っ張って制服を愛おしそうに眺める。


ユナはホソギヒョンの妹で、
街の美少女として有名だ。

整った鼻筋に抜群のプロポーション。
そこらの男たちがほっておかないわけがない。


ホソギヒョンも然り。




『…すごい似合ってるよ』


でも、僕は少し苦手。いや、とてもいい子で可愛らしい子なんだけど、


「ジョングキオッパと少しでも学年が被ってたらよかったのになぁ〜だって私は今年入学でオッパは今年卒業だったでしょ？？入学式と卒業式日程で逆だったらよかったのに〜」



そのオッパ呼びが僕にはとてつもなくくすぐったい。



『まぁ、仕方ないよね…』


「…またそうやってはぐらかすよね〜

はぁ、じゃあ、わたし青街の方だからそろそろ行かなきゃ！また、うちにゲームしにきてよね！ジョングキオッパ！」



そう言って明るい笑顔を振りまいて走っていく後ろ姿を僕は警備棒を振りながら見送る。


どっからどうみても可愛いのは分かるんだけど、
オッパって……なんでこんなにくすぐったいんだろう。



・


「オッパ…」

今度もまた後ろから声をかけられる




でも今度は知らない子



「あ、すみません。つい、、、」



見慣れない顔だけど、とても綺麗でとても儚い印象をうけた。



「あの、日本から昨日この街に引っ越してきたAといいます。よろしくお願いします。」




そのカタコトの韓国語と日本というキーワードに僕が過剰に反応したのはいうまでもない

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