バンタン街のあの子《起》

26. 出遅れ YG ページ27

【side シュガ】



JM「ヒョン！またテテがなんかしてまさす！！！」



ナムジュンと熱く語っていたところに
ジミナが割って入ってきた




『……いつものことだろ』



視線をソファーの方に向けると


へそを出して寝ているジョングクのとなりに


黄色い毛布のかたまり



モゾモゾと動く毛布からテヒョンの服の端がチラリと見えていた



さっきまでそこにいた……Aさんも見当たらないことから


あー、なんか2人でやってんだって思った




……やらしくね？笑




お酒も入って気だるくなった体




スッと立ち上がってその近くまで行く





うちでいちゃつくのは困るんだよテヒョナ





グッ




毛布を取り上げようと引っ張るけど、



テヒョンがホールドしてるその毛布は取れなかった



『テヒョン、イチャイチャするなら他所でやってくれ』



TH「まだダメ〜」



小声で返してくるテヒョンに少しイラっとする




『おい、いい加減にしろ』




もう一度強く毛布を引っ張ると
今度はスルリとそれは取れた





そして俺の視界に飛び込んできたのは




体育座りをして顔を下に向けているAさんと
その横にあぐらをかいたテヒョンが彼女を見つめているそんな姿だった

まるでテヒョンが彼女を慰めているような形




俺は、


Aさんと今日一度も話してないことに気づいた


ずっと視界の端に捉えてはいたけど、

話しかけられないままだ




今日もまたメンバーがたくさん話しかけているのに俺は会釈一つで今日を終えるところだった





『あの……』



少しだけ勇気を振り絞ってAさんに話しかけようと思った




TH「ヒョン、A寝ちゃいましたよ」



『…』


・



また出遅れた


何事にも深入りすることを好まない俺はいつも



少し出遅れる。





聞きたいことは沢山あったはずだ





俺の作った花束はどうだった？


なんでナムジュンと同じところで働いてるの？


なんで……青街なんかに引っ越したの？



君の事を全部人伝てにしか聴けていない俺は



きっと



君にとって一番遠い存在だろうな




なんて、、、、



いつものことだけどさ。笑




・



JM「ジョングクはここで寝かせるとして、Aはちゃんとしたところで寝かせた方がいいと思います」



JN「ユンギの部屋のベッドで寝かせてあげよう」



いつのまにかジャジャ麺を持ってリビングに入ってきたジンヒョン





………どうしてこうなる？

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