7話 ページ8
アベル…。
マーガレットは脳裏に同じ監督生の人形使いを思い浮かべた。
監督生同士は特段深い交流はない。
する必要も無いしあまり興味もないからだ。
確か、あの子の周りには…
最近何だか、不穏な影がうろついている。
だったら、
｢そうなの？何か大事な用でもあるのかしらね。｣
｢大事な？｣
｢そうよ。人には誰しも何か大事なものがあるものよ。｣
｢アベルにとって、それが今、というだけの話じゃないかしら。｣
人…。
大事。
Aは、待つだけだ。
呪がある以上、Aの周りには限られた人しか来れない。
だからこそ、相手から会いたいと訪ねてもらわねば、その人との関係はそれっきりだった。
最も、人神として存在するAをそう無下に扱うものはいないのだが。
だからこそ、アベルに会えない、というのが Aは不思議だった。
｢ねえ、マーガレット。｣
｢私って、何かな？｣
本当に…。
マーガレットは静かな目でAを一瞥した。
そして、少しだけ重い口を開く。
｢貴方は、神様よ。｣
｢…そっか。｣
パンッ
空気を割るように一つ、軽快な音がした。
Aが俯きかけていた顔をはっとあげると、目の前には美しく黒光りする○○ドピアノがあった。
｢さあ、A。｣
｢食後に素敵な音楽はどう？｣
食事の後はいつも、マーガレットのピアノを聞く。
短調長調、あらゆる音楽を愛するマーガレットの指から奏でられるそれは一級品だ。
Aは、その美しい音に浸るため目を瞑る。
魔法は神より与えられしものだ。
故に、人神に手を出せば神の怒りが下る。
神の罰とは、つまり魔力の剥奪である事を、地上の神が成長するにつれ人は理解していった。
人神に近づける者は、魔力上位の限られた者だけ。
つまりは、この世界で最もそれによる恩恵を受けている者達だ。
だからこそ、腹では何を思っていたとしても、
その口を固く、結ぶのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sub山(プロフ) - そらさん» そらさん！とっても嬉しいコメントありがとうございます♥️ぐいぐいいっちゃっていいんですか？笑今許可を頂いたのでがっつりいきます!! (4月1日 2時) (
レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
そら - sub山さんの小説大好きです！読んでいてキュンキュンします❤️これからも更新がんばって下さい！レインとオーター推しの方多いはずなので、その2人はぐいぐいいっちゃって下さい笑 (3月31日 9時) (レス) @page49 id: 8e3a2b7bbe (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - Suzukaさん» 確かに！レナトス見ないですね💨入れましょう!! (3月25日 1時) (レス) @page28 id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka - レナトス落ち中々無いので候補に入れてもらえると嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 659586fc39 (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - ルイさん» 即レスで気持ち悪くなってたらすみません(>_<)めっっっっっっちゃ！嬉しいです!!!!!!本当にありがとうございます✨今、ルイさんのおかげで私が最高です！ (3月23日 19時) (レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sub山 | 作成日時：2024年3月19日 13時
