47話 ページ48
魔力がねえ訳じゃ、ねえんだよなあ。
｢んー……!!｣
線無き者である彼女にも、魔力はある。
事実今、目の前で何とか魔力を捻り出そうとしている彼女には十分過ぎるほどの魔力を感じた。
｢…っはあ！｣
ただ、
それが途中で無くなるのだ。
レナトスは木から背を離すと、Aの横へ来た。
｢前から思ってたんだよな。お前さあ、｣
そして、箒へ翳していたAの手を取り自分の方へ向かせる。
身長差のある二人。必然Aは上をむく。
ふわりとはその柔く綿のような髪に覆われていた首元が、さらけ出される。
その白い肌の中、そこだけ浮き出たような黒いアザ。
レナトスはぐっと顔を近づけると、覗き込むようにAの首元を見る。
人差し指で、そっと痣を真っ直ぐと押した。
｢ここ。｣
次いで、つつっとそのまま手を這わせ。
痣をなぞった。
レナトスのオレンジ混じりの茶がすっと細まる。
沈思する様に、ぐっと声が静まった。
｢ここから、途切れんな。｣
｢…っ、この痣で？｣
ぴくりと、緩やかに刺激に目を細めたAはレナトスの男の手に素直に反応した。
先の固くなった指は、近くで観察する動く瞳に合わせて動く。
悪いな、A。
｢ああ。俺あ細かい理屈とかダリーから分かりやすくはねえだろうけどよ。｣
｢段階があんのよ。｣
｢結局は、魔力っつうのは手足と同じだ。｣
うなじも余すことなく回っている痣を確認するように、背後に広がる白髪をのける。
レナトスは、ぐっと項を覗き込むように、 Aの耳元で声を送った。
｢手足動かすのにいちいち神経どう動かしてとか、考えねえだろ？｣
｢魔法がうめえ奴ってのは、魔力を動かすことを無意識でやってる。｣
ちゃんと教えてやるよ。
だから、
つっと、己が手を動かす度反応する。
｢だけどな、練習段階ではそうもいかねえ。｣
｢赤ん坊みたいなもんだ。｣
｢初めて自分の手を見て手があると自覚する。｣
｢ものを取りたいと思って、じゃあどうすんだつって、自分の手を使う。｣
少し、触れるくらいは。
そんな姿が可愛くて。
｢お前は今その段階だ。｣
｢魔力はわかんな？｣
許してくれや。
ついつい、余計な事までしたくなる。
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sub山(プロフ) - そらさん» そらさん！とっても嬉しいコメントありがとうございます♥️ぐいぐいいっちゃっていいんですか？笑今許可を頂いたのでがっつりいきます!! (4月1日 2時) (
レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
そら - sub山さんの小説大好きです！読んでいてキュンキュンします❤️これからも更新がんばって下さい！レインとオーター推しの方多いはずなので、その2人はぐいぐいいっちゃって下さい笑 (3月31日 9時) (レス) @page49 id: 8e3a2b7bbe (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - Suzukaさん» 確かに！レナトス見ないですね💨入れましょう!! (3月25日 1時) (レス) @page28 id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka - レナトス落ち中々無いので候補に入れてもらえると嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 659586fc39 (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - ルイさん» 即レスで気持ち悪くなってたらすみません(>_<)めっっっっっっちゃ！嬉しいです!!!!!!本当にありがとうございます✨今、ルイさんのおかげで私が最高です！ (3月23日 19時) (レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sub山 | 作成日時：2024年3月19日 13時
