34話 ページ35
僅かな沈黙。
そんは雰囲気など無かったように、そう言えばとウニコールはウォールバーグに向き直った。
｢ところで、主はAを取り巻く状況は分かっておるのか？｣
｢お主が中途半端な事をするから、ややこしくなるのだぞ。｣
それは、決め切れない幼子を叱るような口調だ。
ウォールバーグは、決めきれなかった。
それは、娘として、託されたものとしての最後の抵抗。
娘を、神にしたくないという、一つの我儘。
ウニコールは大きく溜息を吐く。
｢あの子が、ただの神としての人形ならば。｣
神としての責を果たすだけの、心無きものであったなら。
｢誰も、心を乱されたりなどしなかったろうに。｣
何かを憐れむように、そう言った。
Aの存在も…。
ウォールバーグは虚空を見つめ、
誰に言うでもなく、
懺悔のように、ぽつりと言った。
｢人が何故神を求めるのか。｣
───何故、魔力が強いものが尊ばれるのか。
神は昔、弱き生き物に慈愛を与えた。
原初のものたちが当たり前に持っていた、その力のほんの一部。
｢もしかしたら、恋しいのかもしれんのう。｣
───それは、ある種の盲信だ。
自分達は神に愛されていたのだと。
だから、力を下さったのだと。
弱かったに違いあるまい。
人は一人では、獣にすら負ける。
ちっぽけな存在でしか無かったろう。
だからこそ、
｢我等はもう、神に直接は触れられん。｣
───人はこう理解する。
力ある者は神に愛されている者だと。
神は、自分達を見ていると。
余程嬉しかったのだ。
弱き者でも、救いがあるのだと。
だから、
その瞬間が、恋しくて
見えなくなってしまったことが、寂しくて
人が認識出来る神として。
人が、わかりやすく崇められる神として。
人神というものが、出来てしまったのだろう。
───この世界の人は繰り返す。
｢この世は、神によって作られたのだ。｣と。
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sub山(プロフ) - そらさん» そらさん！とっても嬉しいコメントありがとうございます♥️ぐいぐいいっちゃっていいんですか？笑今許可を頂いたのでがっつりいきます!! (4月1日 2時) (
レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
そら - sub山さんの小説大好きです！読んでいてキュンキュンします❤️これからも更新がんばって下さい！レインとオーター推しの方多いはずなので、その2人はぐいぐいいっちゃって下さい笑 (3月31日 9時) (レス) @page49 id: 8e3a2b7bbe (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - Suzukaさん» 確かに！レナトス見ないですね💨入れましょう!! (3月25日 1時) (レス) @page28 id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka - レナトス落ち中々無いので候補に入れてもらえると嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 659586fc39 (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - ルイさん» 即レスで気持ち悪くなってたらすみません(>_<)めっっっっっっちゃ！嬉しいです!!!!!!本当にありがとうございます✨今、ルイさんのおかげで私が最高です！ (3月23日 19時) (レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sub山 | 作成日時：2024年3月19日 13時
