21話 ページ22
周りが皆空へ飛び立つ中、あれよあれよという間にドゥエロの試合に出場させられていたマッシュは途方に暮れていた。
なんで僕。
そもそも、試合のルールすらろくに知らされていない。
箒で飛ぶ事が前提条件らしいが。
｢僕、そもそも飛べないんだけど。｣
ぼそりと呟く。
半ば無気力状態で、試合前の肩慣らしの時間をぼんやりと見ていた。
わああああああ！
そんな歓声の中に、｢あれ？あいつ何してんの？｣という言葉が時折聞こえる。
十中八九その言葉は自分に向けられているのだが、
だから、飛べないんだって。
ピーーーーッ!!!!!!!!!!
試合開始の合図が鳴る。
マッシュは相変わらず下から上を眺めるだけだ。
｢やる気がないなら帰れー!!｣
｢ふざけてんのか!!帰れ！帰れ!!｣
そんな言葉が、いつしか大きくなる。
Aはその様に戸惑うばかりだ。
｢何で。｣
マッシュは飛ばないの…？
私の事、見えてない、よね。
今Aが見えないということは、あれはたまに訪れる揺らぎの瞬間。
その中でも、あれは少し特殊であったが。
今見えていなくて、揺らぎの時間に見えたなら。
それは、大多数の人と変わらない魔力量。
だったら、飛べるはず。
魔力があるなら、飛べるはず。
頑張れ…!!
Aは密かに膝の上で両の手を組んだ。
｢帰りたい。｣
ぼそりと、自分に向かってくる大ブーイングに返す。
その時すっと、自分に近づいてくる影が見えた。
トムだ。
トムは慣れた箒さばきでマッシュの近くへ降り立つと、間髪入れずに叫んだ。
｢人生という名の人生をきらめいてときめいてんのかああああ!!!!!!!!｣
キーンという耳鳴りの後に、理解が追いつかない単語の並びが頭に入ってくる。
理解しようとする努力はしたが(1%くらい)、結局何を言われたのかマッシュは分からなかった。
その後も爆速で、何やら競技の説明や激励の言葉が続いた。
｢飛べない竹はただのたけのこだぞ!!!!｣
｢何も考えないで喋ってるだろこの人。｣
もう理解するのは諦めよう。
マッシュは消沈したように三時の方向をちらりと見ると。
｢あ。｣
どくり
いたのだ。
彼女が。
彼女は、驚いた様に目を見開いてこちらを見ている。
ばちりと視線があっていると思うのは、自分の希望観測だけでは無いだろう。
自然と口端が上がっていくのを、マッシュは自覚していた。
あの時と同じだ。
見つけた。
途端、マッシュの金の瞳が一段階鋭くなった。
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sub山(プロフ) - そらさん» そらさん！とっても嬉しいコメントありがとうございます♥️ぐいぐいいっちゃっていいんですか？笑今許可を頂いたのでがっつりいきます!! (4月1日 2時) (
レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
そら - sub山さんの小説大好きです！読んでいてキュンキュンします❤️これからも更新がんばって下さい！レインとオーター推しの方多いはずなので、その2人はぐいぐいいっちゃって下さい笑 (3月31日 9時) (レス) @page49 id: 8e3a2b7bbe (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - Suzukaさん» 確かに！レナトス見ないですね💨入れましょう!! (3月25日 1時) (レス) @page28 id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka - レナトス落ち中々無いので候補に入れてもらえると嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 659586fc39 (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - ルイさん» 即レスで気持ち悪くなってたらすみません(>_<)めっっっっっっちゃ！嬉しいです!!!!!!本当にありがとうございます✨今、ルイさんのおかげで私が最高です！ (3月23日 19時) (レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sub山 | 作成日時：2024年3月19日 13時
