15話 ページ16
その日は、ぽかぽかと暖かな日差しが降り注ぐ。
そんな、穏やかな日であった。
今日は魔法界の休日だ。
ただでさえ授業が無く気が緩む中、そんな日差しは大木に背を預けた Aの眠気を誘った。
｢A。｣
｢そんな所では流石に風邪をひく。｣
イーストン魔法学校の一画であるこの庭で、Aが本を膝○○せうつらうつらしていると、前からそんな声がした。
その声に、今にも持ってかれそうだった意識をゆっくりと浮上させる。
｢久しぶり。｣
｢オーター。｣
｢ああ、そうだな。｣
本当に。
Aとオーターが最後に会ったのは十日ほど前の事だ。
神覚者として、また魔法魔力管理局長として日々多忙を極めているオーターは、少ない時間を何とかやり取りしてAに会いに来ていた。
｢部屋には戻らないのか？｣
必要なら連れていくと、オーターがAへ一歩近づく。
｢うん。折角気持ちいいから勿体なくて。｣
｢あ、ねえ、オーター。｣
Aはすっと差し出されたオーターの手を取った。
ぐっ
と少しの力が込められ、地面から身体が離れる。
｢何だ。｣
｢今日は何時(いつ)までいられるの？｣
そう聞かれ、オーターの瞳がすっと細まった。
オーターに許された時間は長くない。
魔法界では休日である今日も、本来であればオーターは魔法局の机に向かっていてもいいくらいだった。
それくらい、魔法界というこの世界の全てを担う局長の枷は大きい。
元より、神覚者たるものが少ないのだ。
故に、神覚者になった瞬間、その身は魔法界の存続のために捧げられる。
｢何時まで、そうだな…。｣
少しだけ考え込むような仕草をしたオーターに、Aの眉が明らかに下がる。
忙しい、よね。
オーターはその表情を一瞥すると、顎にやっていた手をおろし、
｢今日は休日だ。｣
｢皆にとってのな。｣
そう一言答えた。
瞬間、Aの顔から笑みがこぼれる。
分かったのだ、彼のその言葉の意味を。
｢本当に？オーター！｣
オーターが共にいる。
Aは心の底からその事を喜んでいた。
｢…嬉しいか？｣
私といるのは。
オーターは確認するように言った。
決して、楽しい人間では無いと、オーターは自覚していた。
これはある種の、幼子のような試し行動だ。
それは、目の前の存在が、オーターにとっては無くてはならない存在だから。
それは、目の前の具現化された神が、汚れを知らない無垢だから。
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sub山(プロフ) - そらさん» そらさん！とっても嬉しいコメントありがとうございます♥️ぐいぐいいっちゃっていいんですか？笑今許可を頂いたのでがっつりいきます!! (4月1日 2時) (
レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
そら - sub山さんの小説大好きです！読んでいてキュンキュンします❤️これからも更新がんばって下さい！レインとオーター推しの方多いはずなので、その2人はぐいぐいいっちゃって下さい笑 (3月31日 9時) (レス) @page49 id: 8e3a2b7bbe (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - Suzukaさん» 確かに！レナトス見ないですね💨入れましょう!! (3月25日 1時) (レス) @page28 id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka - レナトス落ち中々無いので候補に入れてもらえると嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 659586fc39 (このIDを非表示/違反報告)
sub山(プロフ) - ルイさん» 即レスで気持ち悪くなってたらすみません(>_<)めっっっっっっちゃ！嬉しいです!!!!!!本当にありがとうございます✨今、ルイさんのおかげで私が最高です！ (3月23日 19時) (レス) id: f95fa78fdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sub山 | 作成日時：2024年3月19日 13時
