石の世界の片隅で6

252話 ページ10

｢これが、宇宙船の、ロードマップ…!!｣

科学王国民の皆の前には、まるで神話の中に出てくるような、からくり仕掛けの空間が広がっていた。
そこは、何処か神聖みを帯び、湧き上がる好奇心を掻き立てるような、不思議な空間であった。

｢凝りすぎだろてめえら…。｣

あまりの出来に、千空は少し引いた。

｢模型作りもちょっとはまってきた！｣
｢テント作らなくて良くなったから、その分細部も拘りました!!｣

杠が目を輝かせて言う。

｢なんだこれ？街…？｣

クロムが疑問をなげかける。
この壮大な模型を目の前にして、千空の目に力が籠った。

｢世界中から素材掘り集めんだぞ。｣
｢ペルセウス号に乗ってく数十人なんざで足りるわきゃねえだろうが…！｣
｢世界中で石像復活させまくって、世界各地に、新しい街を造る!!｣

｢そ…壮大すぎない？｣

｢は！だが宝島のおかげでもはや復活液は作り放題だ！｣

｢ついに世界70億人を、全員助け出すんだなー!!｣

｢ああ、そうだ。全員で作る！｣
｢それぞれの街で掘って作って、集めたら…。｣
｢地球も、飛び出せる…!!｣

どうしよう、わくわくが止まらない…！
これから、大変なことなんて山程あるんだろうけど。
そんなこと気にならないくらい、これからが楽しみ…!!
私も、皆に置いてかれないように、もっともっと、進もう！

いつの間にか、空には星の瞬きが広がっていた。
Aは空に浮かぶ月を、前とは違う瞳で見つめる。
それは、希望に満ち溢れた、強い光を宿す目であった。

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