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283話 ページ41

「A。」

千空は、未だ流れる涙を拭った。

「敵は、もういねえ。」

Aはゆっくりと顔を上げると、辺りを見渡した。
もう、激しく揺れ動く船はない、もう、劈くような音の波はない。
欠けることのない仲間たちの声がする。
ようやく、強ばっていた身体が、解れた。

「…松風さんは…。」

恐怖に怯えきったその声は、僅かに震えていたが、その耳は、怪我人の所在を逃してはいなかった。
襲撃が無くなった今、Aに出来る最初のことを、しっかりと果たそうとしていた。



「松風さん、肩、見せてください。」

「A殿…。お願い致す。」

松風の二の腕下辺りからは、だらだらと血が流れていた。
銀狼を庇う際に振り上げた手に掠ったのだろう。
血は多いが、傷は深くない。
動かすのにも問題が無いようで、ほっとした。
Aは止血するために、布で血を拭き取り、止血薬を塗る。その上に、包帯をたたみ厚みを作った布を当てる。更にその上から包帯で松風の腕を巻いた。

「少し、動き辛いと思いますが、暫く、これで。」
「また、見せてくださいね。」

Aは眉を下げながら笑った。

その顔を、松風は眉を顰め見つめていた。
Aの目は赤くなり、泣いたことが明らかだ。
前日までの輝く笑顔が、今は身を潜めている。
そんな表情を作り出してしまった今を、恨めしく思った。

「仲間連れて戻ってくるかもしれないよ!!」
「すぐ逃げようよお!!急いで!!」

松風の治療を見守っていた銀狼が、千空達に向かって声を張り上げた。
当然そうするものだと思っていたAの耳に、180度違う反応が返ってくる。

「逃げる?」

「何言ってやがる!逆だ逆!!」

…え。

あんな事があったのに変わらぬ様子の二人に、Aは目を瞬かせた。


「見てただろ、飛行機の墜落地点。」
「お仲間呼ばれる前にソッコー俺らで向かうんだよ…!!」

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Jane Doe(プロフ) - メウ(゜ロ゜)さん» メウさん!コメント、ありがとうございます!!えー!ドキドキしてくださってありがとうございます!彼らの魅力は青天井だと思うので、私なりに沢山出していけたらと思います!後は、原作と、アニメと、他の作者様達の作品で補完補完をお願いします笑 (2023年4月9日 9時) (レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 更新ありがとうございます!!だんだん夢主ちゃんへのアピールが分かりやすくなってきて、読んでいてドキドキしました!頑張ってください! (2023年4月9日 7時) (レス) id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - まるさん» まるさん!コメント嬉しいです!大人組、いいですよね!了解です!直直挟んでいきますね! (2023年4月5日 6時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 262話天才です...こういうやりとり待ってます...!更新頑張ってください! (2023年4月5日 0時) (レス) @page21 id: abe392a41c (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - メウさん!本当にコメントありがとうございます!もう本当に、励まされてばかりで…!!これからもよろしくお願いします! (2023年4月2日 2時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Jane Doe | 作成日時:2023年4月1日 10時

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