268話 ページ26
航海は続く。
何せ、日にちは短縮されたとはいえ、40日。
進めど進めど陸は見えず、やる事の限られる船の上では手持ち無沙汰の者もいた。
そんな中、Aは武芸指南中の司達を見ていた。
そこには、司、氷月、ほむら、松風、モズ、コハク、金狼、銀狼の8名がおり、代わる代わる手合わせをしているようだった。
凄いな、皆。
何であんな動きが出来るんだろ…。
私も、もう少し何か出来ないかな…。
Aはすっと立ち上がると。
見様見真似で足を振り上げてみた。
ゆるゆるっとした動きの後、ぽてんと尻もちを着く。
傍目で見ていた船員は頭に疑問符を浮かべていた。
また、その様子を司も見ていた。
ふふっと、思わず漏れた笑いを隠しつつ、氷月に言う。
｢氷月、もう一人連れてきてもいいかい？｣
｢…ああ、いいんじゃないですか？一人であんな事をやっているよりはマシでしょう。｣
それを聞くと、司はAの元へ歩いて行った。
｢A。｣
未だ座り込んだままの姿勢を誤魔化すため、慌てて立ち上がる。
｢つ…司君！稽古、お疲れ様…！｣
取り繕うように言うAに、またもや司は吹き出した。
｢ふっ、くく。A、もし良ければこっちで一緒にやってみないかい？｣
｢それは、嬉しいけど…。私、皆みたいな動き、絶対に出来ないよ…。｣
Aは肩を提げながら言った。
｢いきなりあれをやれとは言わないさ。｣
｢ただ、基本的な事を押さえるだけでも、うん、随分違うと思うよ。｣
｢やりたいなら、だけどね。｣
司は少し挑発気味に言った。
｢行く、行きたい！｣
Aは司と向き合っていた。
｢俺が思うに、Aは決定的に足りないものがある。｣
｢まずは、俺の腰を目掛けて蹴ってみてくれないか？｣
それを聞きと、Aは自分の精一杯で司に足を伸ばす。
ゆっくりではあるが真っ直ぐに伸びた足は、司に触れ、その後すぐ上体がゆらっと揺れた。
｢あ〜、Aちゃん、体幹、めちゃめちゃ弱い…？｣
その様子をぼんやり見ていたモズが言う。
｢うん、その通りだ。A、君は体幹がしっかりしていない。体幹がブレるから、走る時も走り辛いし、片足を上げて蹴り上げたら、よろける。まずはそこからだね。｣
体幹…。
今まで気にしたことなんてなかった。
｢体幹が、安定すれば、私はもっと、早く走れるの…？｣
｢ああ、A。君は、まだまだ変われる。｣
変われる…。
変わりたい！
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Jane Doe(プロフ) - メウ(゜ロ゜)さん» メウさん！コメント、ありがとうございます!!えー！ドキドキしてくださってありがとうございます！彼らの魅力は青天井だと思うので、私なりに沢山出していけたらと思います！後は、原作と、アニメと、他の作者様達の作品で補完補完をお願いします笑 (2023年4月9日 9時) (
レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 更新ありがとうございます!!だんだん夢主ちゃんへのアピールが分かりやすくなってきて、読んでいてドキドキしました！頑張ってください！ (2023年4月9日 7時) (レス) id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - まるさん» まるさん！コメント嬉しいです！大人組、いいですよね！了解です！直直挟んでいきますね！ (2023年4月5日 6時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 262話天才です...こういうやりとり待ってます...！更新頑張ってください！ (2023年4月5日 0時) (レス) @page21 id: abe392a41c (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - メウさん！本当にコメントありがとうございます！もう本当に、励まされてばかりで…!!これからもよろしくお願いします！ (2023年4月2日 2時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年4月1日 10時
