検索窓
今日:7 hit、昨日:98 hit、合計:124,225 hit

235話 ページ43

次の日、船内はホワイマンの話で持ち切りだった。
三人寄れば文殊の知恵。
千空達は、皆の些細な意見でも聞きたいと、自分たちの見解を話したのである。
そんな中で、羽京は繰り返し流れる言葉が合成音声だということを突き止める。
誰が
どうやって
何故
何処で
石化装置についての謎は深まるばかりだ。

「装置の歴史知ってるやつがいりゃ、ホワイマンの目星も…。」

そのものを理解するには、それが出来上がった成り立ちを知るのが最も理解が深まる。
千空達は、そんな藁をも掴むようなことがあればと思案していた。
そんな中、ソユーズが。

「お…覚えてる!この石化装置の形って……。」

重要な、糸口となるのだ。






「はあ〜。ドイヒー。」

あの後、一度解散となり、鍛錬をする者、集落の者を復活させる者など、各々分かれていた。
そんな中ゲンは一人、木にもたれだらんと足を投げ出しながら一時の休息をとっていた。
木漏れ日が暖かく、さわさわと頬を撫でる風は柔らかい。

もー。あんだけの事があって、石化でしょー?
そんでもって立て続けにホワイマンとかどうなってんのー?
五智将だ何だ言われてるみたいだけど、俺科学は専門外だし…。流石に頭痛くなってきたよ。ジーマーで。

ゲンがこめかみを押しながら項垂れていると。

「ゲンさん!」

「Aちゃん?」
「よくここが分かったねえ。」

割と皆に気づかれなくて穴場なのに…。

「さっき、ゲンさんがこちらに向かって行くのが見えて…。」
「探してたら、ドイヒーって声が聞こえました!」

Aは笑い混じりに言った。

探した…俺を…!?

Aが自分を探していたという事実に、徒労感はどこかへとんでいった。

「何何―?俺を探してくれたってことは、何かあるんでしょ?」

まあ、用なんてなくてもAちゃんなら大歓迎だけどさ!

ゲンは弾む声で言った。

「コハクちゃんから聞いたんです。簪、ゲンさんが持ってるって。」

…簪。

ゲンはそっと腰紐から簪を引き抜いた。

「これ、だよね。」

「はい。良かった。綺麗な、ままですね。」

「探してたの…?」

「大事なものなので。」

ゲンはその言葉を聞くと、身体の底から喜びが湧いてくるのを感じた。

「俺が、つけてもいい?」

Aは一瞬きょとんとすると、嬉しそうに笑い、ゲンの足の間に座り込んだ。

236話→←234話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Jane Doe(プロフ) - メウさん!そう!作画めっちゃ良いですよね!3期が楽しみすぎる!こちらこそ!お読み頂き、ありがとうございます(^^) (2023年3月31日 8時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 激しく同意です。Dr.STONEのアニメって作画もいいし、めっちゃいいですよね。あと、更新ありがとうございます!! (2023年3月31日 7時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 呟きです。2期OPのゲン、めっちゃ良いですよね。 (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 神夜さん!読んでいただけているのが嬉しいです!分かりますー。私ももっとドクターストーンの小説読み漁りたい…!ぜひ最後までお付き合い下さい! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - たくあんさん!コメントありがとうございます!神とは!嬉しいですね。その言葉をかけてくれるたくあんさんのが神ですよ! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Jane Doe | 作成日時:2023年3月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。