212話 ページ20
「ねえ、そういえばさー。君ってAちゃんのいい人…?」
「…どういうことかなあ。」
…何で、ここでAちゃんの名前が…?
「んー、だってそれ、Aちゃんのでしょ?」
モズが指さした先には、ゲンの腰紐の間に挿してある簪があった。
……!!!!!!
「…。Aちゃん、知ってるんだねえ。」
「そうそう、可愛いよね。Aちゃん。イバラにあんな事されてても反応しないくらい気丈だったんだけどさ、簪取っただけでぽろぽろ泣くの。大事なものだからって。」
「いじめがいあるよねえ。」
その時、全員の目に僅かな怒りが宿った。
「……。何、イバラちゃんそんなにやってるの…?」
「ん?ああ、あの年寄りも随分悪趣味だよね。可愛い子は大事にしなきゃなのに。」
「綺麗な肌なのに、傷だらけだよ。」
「懐柔させるなら、優しくやった方がよっぽどいいのにねー。」
仄暗い、光が点る。
「……。そう……モズちゃん。」
「あの子はね、俺の、大事な大事な子なんだ。だから…。」
「ちゃーんと、イバラちゃんから守ってね。」
ゲンは怪しく目を歪ませた。
「…。俺、可愛い子は大事にする主義なんだよね。」
モズが去った後も全員が押し黙っていた。
「おい、Aのこと、言って良かったのかよ。」
クロムがゲンに問う。
「んー。Aちゃんはね、俺達にとってJOKERだよ。」
「相手にとってもね。」
「だからよ。そのジョーカー?ばらしていいのかよ。もっと悪い事になんねーか?」
「…いや、大丈夫だよ。ああいうのは、気に入った女の子を傷つけない。」
「アマリリスちゃんが言うには、コハクちゃんの事も、守ったらしいしね。」
「Aちゃん、やっぱり運がいいよ。接触してきたのが、最強を誇る女の子が大好きなモズちゃんだからね。」
……どういう事だ…。
確かに、この石像の中にAはいない。
今の話…。Aは敵陣にいる…?
傷だらけって、拷問の類か…。
羽京の目に暗い影が落ちる。
「ねえ、千空君。今の話…。」
「Aちゃんは、何処にいるの…!!!!」
杠のその声を聞きながら、羽京は帽子の鍔を深く下げた。
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Jane Doe(プロフ) - メウさん!そう!作画めっちゃ良いですよね!3期が楽しみすぎる!こちらこそ!お読み頂き、ありがとうございます(^^) (2023年3月31日 8時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 激しく同意です。Dr.STONEのアニメって作画もいいし、めっちゃいいですよね。あと、更新ありがとうございます!! (2023年3月31日 7時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 呟きです。2期OPのゲン、めっちゃ良いですよね。 (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 神夜さん!読んでいただけているのが嬉しいです!分かりますー。私ももっとドクターストーンの小説読み漁りたい…!ぜひ最後までお付き合い下さい! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - たくあんさん!コメントありがとうございます!神とは!嬉しいですね。その言葉をかけてくれるたくあんさんのが神ですよ! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Jane Doe | 作成日時:2023年3月24日 0時