検索窓
今日:40 hit、昨日:128 hit、合計:124,073 hit

231話 ページ39

Aの像はペルセウス号の中にあった。
千空が勝利し、次々と仲間を起こしていく中、硝酸作りも、日々の食事も、全てペルセウス号で行っていた。
Aの石像はいち早く運び込まれ。
そんな、皆の様子を薄く笑んだ表情で、見ていた。

ペルセウス号の中央に、Aの石像が横たわっている。
杠によって新しい服が着せられていた。
それは、麻の色は変わらず、ルリと似たような形をした服だった。

銀狼達の傷が治ったことで、Aの傷も治ると皆確信は持っていた。
それでも、石像として固まるAの背には痛々しい翼が広がっており、まざまざと皆の前で主張をしていた。
皆が緊張の面で、Aと千空を見つめる。


千空が静かに、硝酸の瓶を傾けた。

こおおおおおおおお

辺りが光に包まれる。

ゆっくりと目が開いた。


「…よお、お目覚めか…?」

「…おはよう。寝すぎちゃった…?」

「いや」

千空の手が優しくAの手を引く。

Aの上体が起きても、そのまま手を引き、腕の中に、抱きしめた。

「いいんだ、起きれば。」

全身で、貴方を感じた。

…あったかい…。
お日様の、匂いがする。

「千空君。」

やっと、やっとだ。

「何だ?」

暖かい。

Aの目に、喜びの表情、安堵の表情、泣くもの、笑うもの、様々な表情が飛び込んでくる。

「私は、幸せ者だね。」

帰ってきた。

「ああ、存分に」
「浸りやがれ。」


やっと…俺の朝が来た。





暗闇の中、人は歩けない。
何処を歩いているか分からない。
何処に向かっているのかも分からない。
己が、見えない。
自分が、分からない。
暗闇に、溶ける。
自分が、無くなる。

だから、光がいる。
僅かでもいい。自らを見れる光が。
一筋の光で、また歩ける。

己の望む所へ、歩いていける。

232話→←230話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Jane Doe(プロフ) - メウさん!そう!作画めっちゃ良いですよね!3期が楽しみすぎる!こちらこそ!お読み頂き、ありがとうございます(^^) (2023年3月31日 8時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 激しく同意です。Dr.STONEのアニメって作画もいいし、めっちゃいいですよね。あと、更新ありがとうございます!! (2023年3月31日 7時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 呟きです。2期OPのゲン、めっちゃ良いですよね。 (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 神夜さん!読んでいただけているのが嬉しいです!分かりますー。私ももっとドクターストーンの小説読み漁りたい…!ぜひ最後までお付き合い下さい! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - たくあんさん!コメントありがとうございます!神とは!嬉しいですね。その言葉をかけてくれるたくあんさんのが神ですよ! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Jane Doe | 作成日時:2023年3月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。