140話 ページ41
次の日の昼過ぎ。
千空によって集められたメンバーは6人。
A
千空
ゲン
羽京
コハク
マグマ
そして、Aが続行不能になった際の代役として杠が外で待機することとなった。
千空は、全体指示と縫合した後の最終処置。
ゲンは、メンタリストとしてAの横で施術可能かの確認。
羽京は、司の心臓動きを耳と脈に手を置き感知。
コハクとマグマは司が耐えられなかった時、動きを最小限に止めるためのストッパー役として、今回の手術に呼ばれた。
暖かい陽射しの中、それは行われた。
司の頭付近には、羽京が目を閉じ、右手の手首を持って、脈を図っている。
その横には、万が一歯を食いしばった際舌を切らないよう、噛ませるための布が積まれていた。
左手にはコハク、足付近にはマグマ、患部がある右半身にはゲン、A、千空が座っていた。
杠は何かあった際、直ぐに交代できるよう。
集団から少し離れたところに座り、静かに待っていた。
皆一様に緊張した面持ちである。
「司君。」
「始めるね。」
Aは僅かに震える手で針を持った。
針は、手術で使用するような歪曲した縫合用の針だ。
しかし、万が一折れて内部を傷つけないように、それは固く、刺繍針よりも、太かった。
ぷつり
肉を割くわずかな音がする。
「……っ!!」
司が歯を食いしばった。
ぷつり
ぷつり
針を刺す度、僅かな血が出る。
刺したところから、穴が空いた肌に、糸が通る。
麻酔など無く、氷で鈍らせもしないその行為を、司は全身で感じていた。
肉に穴が空く。
金属が通る。
糸が肌の間を抜けていく。
じわじわ
じわじわ
司の身体にはだんだんと鋭い痛みから脂汗が浮かんできた。
自分の手が、司君の血で染まっていく。
ぷつり
またひと針刺す。
呻き声が聞こえる。
ぷつり
血が出る。
引きつった声がする。
肉を割く感触がする。
一つ、また一つ
違うところから血が出てきた。
血が出る。血に染る。傷つける。傷つけた。汗が出る。水が垂れる。
これは、これは、これは、これは!!!!!!
いつしか、Aは全身から大量の汗を吹き出し、瞳からはとめどなく涙がこぼれていた。
その表情は、司の傷のみを見つめており、一切の瞬きを忘れていた。
瞳孔は開ききり、口は固く結ばれている。
周りから見ても、明らかに異常な状態だということが分かる。
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Jane Doe(プロフ) - 樹乃さん» 樹乃さん！コメントめちゃめちゃ嬉しいです＼(^o^)／ありがとうございますす♪お気持ち凄く嬉しいです！この先長いですが、ぜひこれからもお付き合い下さい。 (9月30日 11時) (
レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - こう...文章が凄く綺麗だと思いました(語彙力) (9月30日 9時) (レス) @page15 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - あ、ありがとうございます！本当に、コメント、めっちゃ励まされますね！ぜひこれからもお読みください！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 神作品にであってしまった！更新がんばってください！ (2023年3月15日 10時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - まじですか！ちょーやる気出ました!!ぜひこれからも読んでってください!! (2023年3月14日 15時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年3月9日 3時
