128話 ページ29
空がすっかり暗くなり、月が主役になる頃、一行は帰ってきた。
今宵の月は、見事な満月であった。
司の妹、名は未来という。
無事に未来を文字通り、復活させた皆は、地中に埋まっていたらしい未来を掘り起こすのに、相当の体力を使ったのか、帰ってきた途端、布団で眠る姿が見られた。
千空とゲンも例外ではなく、寝床の準備をしていた。
ざりっ
｢石神君、ゲンさん。帰ってきて早々、ごめんなさい。｣
｢聞きたいことがあるの、時間を、くれない？｣
そう言うとAは踵を返し、歩いていった。
着いてこい、と言っているようだった。
…ああ、うん。何となくAちゃんの聞きたいことが分かった。
確かに、｢地獄に落ちる｣とは、言ったけどさ。
これは、仕打ちが過ぎるんじゃないの…神様…。
Aと千空とゲンは、拠点から少し離れた森の中に来ていた。
ちょうど、森の切れ間となるそこは、満月の光を浴び、ぼんやりと光っていた。
｢石神君、ゲンさん、一つ、聞きたいことがあるの。｣
｢去年の秋頃、司帝国から、氷月さん達が、石神村に向かった。｣
｢結局、帰ってこなかった。｣
｢氷月さんからは、敵の大将が作った毒ガスで死んだ。ゲンさんはその手引きをしたって聞いてる…。｣
｢これは、何処までが本当？｣
｢毒ガスを作ったのは、石神君、貴方なの？｣
｢毒ガスを吸うきっかけを作ったのは、ゲンさん、貴方なの？｣
｢教えて、本当の事を。｣
そう、強い目をしたそいつは、知らない女に見えた。
月の光に照らされた、丁子茶色が千空とゲンを貫く。
それは、今までの人生でもした事がないような、真っ直ぐで力強い目であった。
眉を寄せ、こちらを鋭く、静かに凪いだようなその瞳から、二人とも、目が離せないでいた。
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Jane Doe(プロフ) - 樹乃さん» 樹乃さん！コメントめちゃめちゃ嬉しいです＼(^o^)／ありがとうございますす♪お気持ち凄く嬉しいです！この先長いですが、ぜひこれからもお付き合い下さい。 (9月30日 11時) (
レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - こう...文章が凄く綺麗だと思いました(語彙力) (9月30日 9時) (レス) @page15 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - あ、ありがとうございます！本当に、コメント、めっちゃ励まされますね！ぜひこれからもお読みください！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 神作品にであってしまった！更新がんばってください！ (2023年3月15日 10時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - まじですか！ちょーやる気出ました!!ぜひこれからも読んでってください!! (2023年3月14日 15時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年3月9日 3時
