118話 ページ19
倒れ込むAを、氷月が抱き上げた。
「…氷月、何をしているんだい。」
「ああ、すみません。気絶しただけです。内蔵等は一切傷つけていませんよ。何分彼女は、監視をつけたあのもの達と仲が良かったでしょう？」
「このタイミングで何かされては、困りますので。それに…」
「僕達を(私を)、裏切るなんて…」
氷月の目が、薄く開く。
「許されない、事でしょう？」
その目は、怪しく弧を描いた。
「…。とにかく、こうなった以上、早く動くしかない。」
「千空達は、もう来ている。」
「狙いは恐らく、奇跡の洞窟。」
「直ぐに戦士を集めて、出よう。」
「…ああ、氷月。Aは俺が抱えるよ。」
「ここにいては、返って危ない。」
「俺が連れていく。」
「…分かりました。」
氷月は僅かに手に力を入れ、そして、手放した。
ちょうど同時刻、千空達は出撃のために、奇跡の洞窟近辺まで来ていた。
そこには、寝返った司帝国の者もおり、作戦の決行を今か今かと待っていた。
「司と氷月は墓にいる。距離はかなりあるよ。」
「おありがてえ情報だ。」
「じゃあ、急いで動きだけ確認するぞ。」
「今回の作戦は一発勝負だ。」
「しくったら、終わる。」
「まずは…」
千空は、司帝国の者達と話をしている。
基本的にまとめるのは仁姫の役目だが、特に男手は共に特攻する者もいるため、最終確認であった。
ゲンがそれを横目に見ていると。
すたっ
頭上で音がした。
ゆっくり見上げると、あの時と同じ底の知れない緑と目が合った。
「やあ、ゲン、久しぶりだね。」
「そうだねえ。羽京ちゃん。」
視線が交わる。
ゲンと羽京は腹の底が読めないもの同士。
先の携帯電話での一戦は、一勝一敗と引き分けに終わった。
だが、絶対に、譲れないものが、二人にはある。
その勝負の行方は、まだまだ分からない。
二人はそっと視線を外すと、羽京は一層高い木へ、ゲンは戦車へ乗り込んで行った。
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Jane Doe(プロフ) - 樹乃さん» 樹乃さん！コメントめちゃめちゃ嬉しいです＼(^o^)／ありがとうございますす♪お気持ち凄く嬉しいです！この先長いですが、ぜひこれからもお付き合い下さい。 (9月30日 11時) (
レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - こう...文章が凄く綺麗だと思いました(語彙力) (9月30日 9時) (レス) @page15 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - あ、ありがとうございます！本当に、コメント、めっちゃ励まされますね！ぜひこれからもお読みください！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 神作品にであってしまった！更新がんばってください！ (2023年3月15日 10時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - まじですか！ちょーやる気出ました!!ぜひこれからも読んでってください!! (2023年3月14日 15時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年3月9日 3時
