115話 ページ16
その日も、杠達は司帝国の人間を携帯の前に連れて行っていた。
もうこれで、20人ほどだろうか。
「良かった！」
「私達、助かるのね！」
「しっ！声がでかいよあんた達。」
…人間なんでも、慣れてきて油断した頃が一番危ないからさ。
ざっ
「楽しそうだね。」
「聞かせて欲しいな。その電話。僕にも。」
…羽京!!!!
まずい、まずいよ羽京の耳だけは。
精度の高いものだったとは言え、モノマネは物真似、本物では無い。
羽京の耳には勝てなかった。
しかし、羽京もただ千空達の謀を止めに来た訳では無い。
羽京も、考えがあるのだ。
「千空、僕は君たちに協力してもいいと思っている。」
「条件次第ではね。」
…協力？
一枚岩じゃねえって言ってたのは、こういうことか？
「…なんだ？条件っつうのは。」
「僕の条件は、たった一つ。」
「誰も死なないこと。」
羽京は語った。
今までの疑念や後悔を、全て吐き出すかのように。
それは、司の暴挙を知っていてなお、何もしなかった自分への戒めの様でもあった。
そんな、自らを卑怯者と称する羽京の、「誰も死なない。」という一つの願いは、石化が解けてからずっと守り続けていたものであった。
絶対的な強いものの前で、一体何人の人が自分を貫けるだろうか。
零して、捨てて、妥協して、最後に残ったそれだけが。
その人の、絶対に揺るがない、折れない、一つの支柱なのである。
「おもしれえ、乗ってやる。」
「元より、俺達の目的は無血開城だ。」
「今更それを、変えやしねえよ。」
ここに、また一つ同盟が結ばれた。
各々の思いの元、人と人が繋がる。
何だか、とても、目まぐるしい。
なればこそ、置いていかれぬよう。
やりたいことを、やりたいなら、掲げるものを、守りたいなら。
遅れる前に、必死で、走り回るしかないのだ。
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Jane Doe(プロフ) - 樹乃さん» 樹乃さん！コメントめちゃめちゃ嬉しいです＼(^o^)／ありがとうございますす♪お気持ち凄く嬉しいです！この先長いですが、ぜひこれからもお付き合い下さい。 (9月30日 11時) (
レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - こう...文章が凄く綺麗だと思いました(語彙力) (9月30日 9時) (レス) @page15 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - あ、ありがとうございます！本当に、コメント、めっちゃ励まされますね！ぜひこれからもお読みください！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 神作品にであってしまった！更新がんばってください！ (2023年3月15日 10時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - まじですか！ちょーやる気出ました!!ぜひこれからも読んでってください!! (2023年3月14日 15時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年3月9日 3時
