621話 ページ33
ゼノには、ある前提があった。
それは未だ目覚めぬ、幼い頃から共にいたスタンリーの存在だ。
彼らはいつも一緒だった。
新しい事を考えるのも、何かをするのも。
彼等はいつでも一緒だった。
その様は、傍から見たらまるで半身。
だからといって本人達は思考を混同させるなどそこまでの傾倒は無い。
しかし間違いなく、スタンリーはゼノにとっての人生の一部だった。
そんな相手だからこそ、あの再びおぞましい光が降り注いだ夜。
永く離れていた後の一瞬の会合でも、分かったのだ。
スタンリーが、Aに対して少なからず感情を抱いていることが。
次に目覚めた時、当然のようにスタンリーの姿はなかった。
それに対しては、向こうの勢力が中心を担う中当然だろうと受け入れた。
そして、見つけたのだ。
亜麻色の乙女を。
事の成り行きを見ていて一目瞭然だった。
Aというその人物は、随分彼等に大切にされているということが。
日本に、絆されているということが。
それでは、あの男があまりにも不憫ではないか？
だから仕方がないと、自分が一肌脱いだのだ。
自分はある目的を持ってこの乙女と接している。
この乙女に、選択肢を示すのだ。
アメリカという、選択を。
だからこそ、
だからこそ、ゼノは語りかけた。
｢御機嫌よう、今日の調子はどうだ。｣と。
少しずつ、少しずつ、
決めていた。
Aが求めてきたら、どのようなものにも応えようと。
彼女の絶対的信頼は、アメリカでも築けるのだと、そう思わせるために。
日本から、離すために。
───ゼノは敢えて、見ない。
彼女が求めてきたら、何でも…。
そう……何でもだ。
何も彼女が信頼する場は日本だけじゃなくてもいいだろう。
彼女が心を開いたその時は、囲んでしまえばいいのだ。
───見ようとしない。
二人なら、それも容易い。
そう思っていたのだ。
だが、
ずんっと、ゼノの中がもう一段階重くなった。
彼女が、初めて己に望んだことは、科学。
今迄関心はすれど、その興味を向けることは無かったのに、彼女は科学を望んだ。
あれか…。
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Jane Doe(プロフ) - 美玖さん» 見てますよー！まじでオリジナル展開凄いですね！本当に尊敬です！これからも書き方とか学ばせてください＼(^o^)／楽しみにしてます！ (1月17日 0時) (
レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - ぴーさん» 楽しみにしていてくれてありがとうございます！そして、こんな風に感想もいただけて嬉しいです!!原作の軸が無いとめっちゃ難しいなと痛感しております(>_<)でも、ぴーさんのこの励ましでやる気は十分です！本当に本当にありがとうございます＼(^o^)／ (1月17日 0時) (レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
美玖(プロフ) - Jane Doeさん» え？！わぁ、私の作品も読んで下さっていたんですね！アンケートもありがとうございます、嬉し過ぎます！なるべく数日に一度は更新を心掛けてるので私も頑張ります！見て頂いてるだけで幸せです！嬉しすぎてレスしてしまいました…！！ (1月11日 9時) (レス) id: ddcbc460f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴー - 更新、いつも楽しみにしてます。言葉選びや、情景の描き方が好きで、しんどい時の頼りにさせてもらってます。これからの展開どうなっていくかとても楽しみです！これからも応援してます！ (1月10日 21時) (レス) @page47 id: b5feedf6c0 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 美玖さん» 美玖さん！とってもとっても嬉しいコメント、本当にありがとうございます!!私、落ちアンケートがっつり投票してました！今後の展開、とても楽しみにしています！美玖さんの更新速度、凄いですよねめっちゃ尊敬してます！王道だけど、これからも追わせてください(≧∇≦) (1月7日 2時) (レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年11月18日 2時
