キスをしないと出られない部屋8 ページ8
「ほら、A!でも、一瞬だからさ!」
「そうだよ。こんなの数に入らないよ。ね?」
慰めるつもりで言っている。
しかし、この言葉はAが相手になる前提であった。
とどのつまり、この空間にいる誰もが、逃がすつもりは無いのである。
「A。」
少し前から、声がかかった。
「言いたくなかったら。うん、流してくれて構わないんだが。」
「その、初めてかい…?」
その瞬間、沸騰した。
図星だ。
この世に生を受けてから一度も、ただの一度も、異性とそういうことをしたことが無い。
Aは、恥ずかしさから顔を隠しながら、僅かに頷いた。
最っ高だ……!!!!
男達は、歓喜に胸が震えた。
男は、女の最初になりたい。
女は、男の最後になりたい。
誰が言ったかは分からないが、よく言ったものである。
それを聞くと、一斉に動き出した。
「A、私は半端な気持ちでそのような事はしません。ですから、」
「黙ってろ。A、初めてでこんな空間とか巫山戯てんよ。だけど俺なら」
「ね〜え!A?血の気の多い男共より、俺の方がいいと思わない?ちょっと向こうで話そ」
「A。僕は君のこと真剣なんだ。だから、他じゃなく僕を見てほしい。」
「さり気なく伝えてんじゃねえよ。それを言うなら俺なんか何年越しだと思ってんだ!」
「ふうん!A。ならば俺の所へ来るといい!全て受け止めるぞ。」
「A、ごめん。俺が余計なことを言ったからこんな事に。でも、勿論これっきりなんてことは無い。俺は、本当に君が…!!」
矢継ぎ早に交わされる言葉に、Aは目が回った。
何だこれは、この男達は自分とのキスを望んでいるのか?
A の前にいるのは、極上の男達である。
「あの…。」
本当に?
「皆さんは、私でいいんですか?」
未だ男を知らぬこの身に、有り余る事だと思った。
「「「「「「「「お前が(貴方が)(君が)いい。」」」」」」」」
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坦々麺(プロフ) - ずっと待ち望んだ続きが…!今回もすごく最高です…… (3月9日 20時) (レス) @page14 id: 14a944a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
幸実(プロフ) - もちろんです!こちらこそ採用されるだなんてとっても嬉しいですキャ─(*ᵒ̴̶̷͈᷄ᗨᵒ̴̶̷͈᷅)─♡ぜひ使っちゃってください!(*っ´∀`)っこちらこそありがとうございます(*´˘`*)♡ (1月7日 11時) (レス) id: 2921ed131c (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 幸実さん» 幸実さん!ナイスアイディアありがとうございます!!それ使わせてもらってもいいですか?本編完結まで宙ぶらりんもアウトな気がしていた中で最高の啓示です笑ありがとうございます!! (1月7日 2時) (レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
幸実(プロフ) - 頬とか瞼とか手の甲などが書かれていて唇だけはくじには入ってなくて主人公ちゃんはホッとしてる、千空達はちょっと残念に思うそんなオチはいかがでしょう? (1月2日 7時) (レス) id: 2921ed131c (このIDを非表示/違反報告)
幸実(プロフ) - はじめまして。本編も含め全話を毎回楽しんで読ませてもらっています。キスをしないと出られない部屋のオチなんですけど、キスの場所の指定くじを引く感じはどうでしょう!? (1月2日 7時) (レス) id: 2921ed131c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Jane Doe | 作成日時:2023年10月19日 19時