キスをしないと出られない部屋10 ページ11
｢あ？｣
思わず、そんな言葉が出た。
それは、千空の手の中にある紙が原因だ。
自分の想定では、当たりだとかはずれだとか、○だとか✕だとかが書いてあるものと思った。
目の前に見えるものは、そのどれでもない。
『二の腕』
と、ただその言葉が書かれていた。
｢おい。｣
千空は、同じく自分の取り出した紙を訝しげに見る面々に向けて声を放つ。
｢紙、なんて書いてある…。｣
ちらりと、お互いの様子を伺う視線が交わされる。
その中に一つ、違う色の瞳が入ってきた。
｢千空君、何って…？｣
Aである。
Aは男達の一歩後ろで状況を見ていたが、その動きが気になった。
自分とで申し訳ないが、キスをする相手が決まると思っていた。
それが誰であってもAにとってはとんでもないことであったが、同時に、早く知りたくもあったのだ。
自分を託す相手を。
それが、
千空君も、皆も、どうしたのかな…？
紙を開いた瞬間、皆が一同に訝しげな表情をしたのだ。
想定していたものと違う表情に、千空が件の言葉を投げかけた。
そうしてAは、千空の手元を覗き込んだのだ。
に、二の腕…？
Aは驚きに目を見開いた。
そして、
｢つ、司君！見せて!!｣
その言葉に反応した司は、Aへ紙を差し出す。
受け取ったところには、
『腰』
腰!?
｢氷月さん!!｣
がっと、焦った様にその腕に触れ、下げる。
横から覗くと、
『背中』
と、はっきり書いてあった。
Aがどういう事かと混乱していると、その手を引く固い感触がした。
｢A。｣
ﾁｭｯ
｢へっ…え!?｣
ゴンッ!!!!
ガッ!!!!
と、そんな物騒な音の前に、確かに手の甲に感じた柔らかな感触を追って、Aは勢いよく振り向いた。
スタンリー!?
Aは二重の意味で驚きに染った。
そこには、氷月によって腕を叩き落とされ、司によって肩を掴まれ大きく引き離されたスタンリーの姿がある。
ぎりぎりと思いっきり掴まれているのに、スタンリーはそんなもの何処吹く風というように一瞬思案し、Aへ声をかけた。
｢悪いね、A。｣
｢確かめたいことがあってさ。｣
スタンリーはそう言い妖艶に笑うと、千空へ向けて言った。
｢なあ、科学少年。｣
｢あんたの疑念、多分これ見たらわかんよ。｣
と、スタンリーは一枚の紙を千空へ向ける。
そこには、
『うなじ』
と書いてあった。
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坦々麺(プロフ) - ずっと待ち望んだ続きが…！今回もすごく最高です…… (3月9日 20時) (
レス) @page14 id: 14a944a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
幸実(プロフ) - もちろんです！こちらこそ採用されるだなんてとっても嬉しいですｷｬ─(*ᵒ̴̶̷͈᷄ᗨᵒ̴̶̷͈᷅)─♡ぜひ使っちゃってください！(*っ´∀`)っこちらこそありがとうございます(*´˘`*)♡ (1月7日 11時) (レス) id: 2921ed131c (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 幸実さん» 幸実さん！ナイスアイディアありがとうございます!!それ使わせてもらってもいいですか？本編完結まで宙ぶらりんもアウトな気がしていた中で最高の啓示です笑ありがとうございます!! (1月7日 2時) (レス) id: 980e4647fc (このIDを非表示/違反報告)
幸実(プロフ) - 頬とか瞼とか手の甲などが書かれていて唇だけはくじには入ってなくて主人公ちゃんはホッとしてる、千空達はちょっと残念に思うそんなオチはいかがでしょう？ (1月2日 7時) (レス) id: 2921ed131c (このIDを非表示/違反報告)
幸実(プロフ) - はじめまして。本編も含め全話を毎回楽しんで読ませてもらっています。キスをしないと出られない部屋のオチなんですけど、キスの場所の指定くじを引く感じはどうでしょう！？ (1月2日 7時) (レス) id: 2921ed131c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jane Doe | 作成日時：2023年10月19日 19時
