COLOR～いろとりどり 3 (ページ13)

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story-111.増田side ページ13

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増田side

今まで2人の間に流れた事のない不安定な空気をやり過ごそうと、右手で前髪を触ったり、唇を触ってみたりする。

…あー、もう考えても分かんないや。

考える事を頭が放棄し始めた頃、いつもよりすこし甘いカフェオレの匂いを纏ってぱたぱたとAちゃんが戻ってきた。

向かいの床に、ぺたっと座ると、カフェオレをひとくちすする。

A「あの人は…」

増田「え？」

ちょっとどきっとしたのはなんでだろう。

A「あの人は…フットサルの友達なんだよね…関西にいる時から知り合いで。ちょっと……トイレ貸してほしいって家寄っただけで。」

増田「…そっか。」

A「…うん。」

増田「…俺も、彼女はいないよ。」

そう言ったのに意味があったのか分かんないけど。

A「…そっか。」

甘い香りのするカフェオレに少しリラックスしたのか、そう呟いた顔は少しホッとしていた気がした。