color〜いろとりどり 2

story-79.増田side ページ31

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増田side


手越「ねぇ、まっすー。」


衣装やドリンクが次々と運び込まれていく舞台裏。


衣装の最終チェックをしていると、ふいに手越から声をかけられる。



増田「お前、なんでそんな汗だくなの？」



手越「サッカーやってた！…じゃなくてさ、あのジャケット着てるのってAちゃん？」



増田「え？ジャケット？？」



ほら、と暗幕の隙間から手越が指差す先をみやる。

ヒールの低い黒のパンプス
白のパンツ
グレー地に白で何かしらの文字と絵が書かれたTシャツ
柔らかい生地のネイビーのノーカラージャケット

オフィスカジュアルな服装をしたAちゃんがキョロキョロしながら会場を歩いていた。


会場に似つかわしくなくて、あっと言う間に見つけた。



増田「うわ、ほんとだ。ジャケット着てる(笑)真面目か。(笑)」



手越「まっすーが誘ったの？」


興味があるんだかないんだかわからない口調で聞いてくる。



手越がゴシゴシと汗を拭いている私物のタオルは、前回のツアーグッズで作ったもの。


ちなみに汗だくのTシャツはテゴマスのコンサートで作ったもので、何回も着ているせいか少し色がくすんでいる。


出会った頃より見た目はずいぶんと派手になったけど、こういうところはかわいいとおもう。



増田「あー。今日も開演前に設営が見たいって言ったから、先に入っていいよって言ったんだよね。」


手越「ふーん？」



また興味があるんだかないんだかわからない口調。



暗幕を閉じて振り返ると、タオルを首にかけて首を傾げている手越と目が合った。



増田「？？なんだよ。」



手越「んーいやぁ？」



増田「最近、それ多くない？こないだマネージャーも首かしげてたけど流行ってるの？」

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