color〜いろとりどり 2

story-50.＊増田side ページ1

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増田side


"ぱさっ"


遠くの方で何かが落ちる音が聞こえた気がした。


増田「ん…」


Aちゃんにマッサージしてもらってて。


Aちゃんが百貨店でみたからくり時計の話を聞いて。

なんかぽかぽかしてきて………。


ああ…なんか優しいにおいがする………。


少しずつはっきりとしていく意識の中で、ふんわりと匂いを感じとる。


……はっきりとしていく？？？



増田「…しまった‼寝て…痛ッ」


急に動いたせいで襲われた痛みに顔をしかめる。


霞む視界が少しずつはっきりしていくと、さっきまで1番高いところにいたはずの太陽が随分と低くなり部屋を赤く染めているのが見えた。


増田「うわ。まじか…。俺どんだけ寝たんだ…。」



ローテーブルに置いたスマホを取ろうと手を伸ばすと、床に見慣れないストールが落ちていているのが目に入った。


端だけが、おれの太ももに優しくのっかっていた。



増田「…掛けてくれたんだ…」


ストールを拾うと、花のような香りがふわっと鼻をかすめ、さっきの優しいにおいはこれだったんだと気づく。



部屋のどこかにいるであろうAちゃんにあとでお礼を言わなきゃな、と思いながらスマホの画面を見ると、16:32と表示されていた。


増田「…寝すぎ」


はぁ、とため息をつき、スマホのロックを解除すると、アイコンの横に数字が5と表示されていてメッセージを受信していることを知る。



未だにずいぶんと寝てしまった自分を受け入れられなくて、またはぁ、とため息をつき、メッセージの確認をする。




増田「………え？」

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