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story-41.＊増田side ページ42
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増田side
A「また奢れてしまった…。」
増田「あはは。大して飲んでないじゃん。」
ソフトドリンクに切り替わってから落ち着いたAちゃんは一転、聞き役に徹して俺の話を聞いてくれた。
しゃべり下手な俺のテンポに合わせてくれ、心地いい時間はあっと言う間にすぎた。
今はまた、Aちゃんの財布をカバンに押し戻してるところ。
A「コートももらったのに…。」
増田「いいっていいって。男にカッコつけさせてください。」
A「今度お茶奢る。歳上の役目を果たさせてください。」
増田「あはは。じゃあ、お願いします。」
A「あ、やばい。こんな時間だ！…じゃあ、あたしあっちの駅だから。」
増田「おれ、こっちだわ。あ、一応、家着いたら、連絡して？」
A「わかった！じゃあね、バイバーイ。」
増田「うん、おやすみ。」
ひらひらと手を振り、駅に向かって歩くAちゃんを見送る。
さて。おれも帰るか。
次の約束が出来たことに、胸の奥がポカポカした気持ちになった。
彼女も同じ気分だったらいいなって、少しだけ気になって、ふと振り返り姿を探す。
人が行き交う中、赤信号で立ち止まり、スマホに目を落としていた。
ワインレッドのマフラーに口元うずめ、スマホの光に照らされた表情が
切なそうで
やけにきれいに見えた。
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作者名：prco | 作成日時：2018年2月7日 23時
