color～いろとりどり (ページ18)

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story-17.＊増田side ページ18

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増田side
また小走りでコートに戻ると、手越が犬のように叱られていた。

思わず、ぽかんとしてその様子を眺めていると、手のひらに冷たい感覚を感じる。

増田「冷たっ。そうだった。氷。」

手越のそばを離れない彼女に手渡す。

増田「あの、氷もらってきましたよ」

「ありがとうございます…。手越くん、冷やすね。」

俺から氷を受け取ると、手越のふくらはぎに氷をタオルで巻きつけ、右手をそっと添える。

左手で、スマホの画面をしばらく見つめたあと、また手越のふくらはぎへ視線を戻す。

手越はその姿をじっと見つめていた。

スタッフ「手越さん…大丈夫ですか⁇とりあえず病院行った方がいいと思うんで…救急車呼びます⁇」

手越「いや、ツレいるから、乗っけてってもらうわ！」

と言って、俺を親指で指す。

ツレって…。さっきからツッコミたいところがありすぎる。

スタッフ「あ…。そうなんですね…。次の人が来ちゃってるんでとりあえずコート出ましょうか。」

手越「うん、そうだね。ふくらはぎちゃん、もう歩いていい？」

手越が声をかけると、困った顔をしたあと、

「あの」と、俺を見上げる。

「おんぶ、してあげてください。」

ねえ、多分、割と、君はめちゃくちゃな事言ってるよ？

でも…まっすぐに真剣な目で訴えてくるから、また思わずそれに従う。

増田「わかった。ほら、てごしのって。」

手越「…うん…ありがと」

まさかプライペートで手越を背負う事になるとは…、今日は本当にツッコミどころが多すぎる。

口をとがらせ、誰にも聞こえないくらいブツブツ独り言を言いながら歩いていると…

手越「ああぁ！荷物ぅ！まっすー、もどってぇ！」とけが人が背中で叫ぶ。

もぅ…。